砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

絶品の桔梗信玄餅に見る毒蛇は急がない、賢者は焦らない

長女が山梨旅行の土産として「桔梗信玄餅」を持ってきてくれた。10個入りの1箱を3家族で割らざるを得なかったので当然のようにありがたみもパカッと三等分された。ったく、そんなに高いもんじゃないんだから各家族に1箱ずつ買って来いよな。とは言え、ないよりはマシだからまあいい。そこで山梨土産と言えば97%の確率で「桔梗信玄餅」だろう。残りの3%はもっと頑張れよ。美味しいのはもとより武田信玄の風林火山の如く、威風堂堂たる貫禄及び風格並びに存在感があって素晴らしい。それよりはるかに有名で誰もが知っている北海道の「白い恋人」は浮ついている感が拭えないし否めないしそんなてめぇ勝手なことを言って本当にごめんなさい。僕が好きな小説家である開高健がジャパンに広めたタイ王国のことわざに「毒蛇(どくじゃ)は急がない」がある。ガブッとひと噛みされちまった獲物は命からがら逃げたところでジワジワと毒が回ってそれほど遠くない場所で倒れている。そのことをよく知っている毒蛇は、その獲物の臭跡をゆっくりたどって行けばいい。急ぐことはない。毒という大きな武器があるヘビは自信があるから決して急ぐことはない。セコセコやコソコソと挙動不審な動きをするのは武器どころか特技もない哀れな君たちだ。絶品の「桔梗信玄餅」を頬張りながらそんなことを考えていた僕がタイ王国のことわざに珠玉の言葉をタダで続けてあげよう。毒蛇は急がない、賢者は焦らない。

桔梗信玄餅