ちびっ子ギャングのヤングを抱っこしたままの次女が「パパ、いつもありがとう。これあげる。プレゼントだよ」と言ってガサガサと音がする四角い物を手渡してくれた。包み紙を開けた僕は「そこらの定食屋で食い切れなかった揚げ物を持ち帰るための安っぽいパックの中のこの物体はゴボウかよ?」と言うと「パパだったら知ってると思うけどマツコの番組で紹介された覚王山の芋けんぴだよ」「へ?あ、あぁ。あの芋けんぴね」「ふぅ~ん、甘党のくせに知らないんだね♪」「・・・」「超美味しいし品切れ続出の商品だよ」「とにかくありがとう」。人としての誇りなど微塵もない僕だが、全国甘党党首としての気高きプライドがズタズタにされちまった気分だぜ。まあいい。さっそくググったら名古屋は覚王山にある『覚王山 吉芋』の「吉芋花火」だった。どうやら『マツコの知らない世界』で紹介されたらしい。その他に「鬼まんじゅう」も100%美味しそうだった。グーグルマップで確認したら地下鉄覚王山駅の目と鼻の先に店舗はあるが、その同じ通りの徒歩1分の場所に予約必至の「鬼まんじゅう」で有名な『梅花堂』もあるんだ。今まさに、覚王山は仁義なき芋戦争で熱いぜ。諸説あります。肝心のその味はと言えば、完璧に美味しい。1本1本が半生状態のようにしなやかで今までに経験したことのない新食感だった。その蜜の甘さも絶妙で間違いなく僕だけだと思うものの白いご飯のお供にできそうな気がした。