砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

200余年の歴史が奏でる大口屋 布袋本店の餡麩三喜羅

目と鼻の先にある老舗の和菓子屋を二度もスルーした僕の勇気と根性をできるだけ分かりやすい日本語で褒めてやってほしい。そのため遠州弁はOKだけれど津軽弁はNGだびょん。だから、そんなことはどーでもいいんです。格別なる味を満喫するために【江南】を北へ南へ歩き回った一昨日僕は、文字どおり名鉄江南駅前にある『大口屋 江南駅前店』を二度もスルーした。が、その理由は明白で「本店の雰囲気も味わいたい♪」ってことで、そこからほぼ2キロの道のりを名鉄犬山線に沿って歩くとなまこ壁がステキな『大口屋 布袋本店』を訪れることに成功した。

大口屋 布袋本店

今にも座敷童子が顔を出しそうな重厚な雰囲気がたまりませんな。やはり老舗の佇まいは主たる商品の重要なトッピングでは渡り廊下いや、中廊下いやいや、なかろうか。「美しい空間なので写真を撮ってもいいですか?」「あ、はい。どうぞどうぞ」。文政元年、翻訳すると1818年に創業した老舗だ。江戸時代からここ布袋の地で七代にわたって続く尾張の国の宝だよ、木下君。

大口屋 布袋本店の店内

大口屋の主たる商品と言えば、何と言っても言わなくても昭和48年に誕生した麩まんじゅうの「餡麩三喜羅」だろう。今から3年前に『大口屋 一宮店』で買ったそれを『妙興寺』の境内で「まるで『鬼滅の刃』の鬼舞辻無惨のような何気に怖いネーミングだと思いませんか?」などと不謹慎なことを言いながらパクッと頬張ると小躍りしそうになった僕だった。しんかったけど。結局、僕は10個入りの「餡麩三喜羅」を買った。女性スタッフが「賞味期限は2日間ですが、明日に食べられる場合は冷蔵庫の野菜室に入れておいてください」と懇切丁寧に教えてくれた。

大口屋 布袋本店の店内

自宅に到着した僕は、電光石火で商品名の由来ともなった「山帰来」と呼ばれるユリ科の植物の葉で包まれている「餡麩三喜羅」が入った箱を開けた。すると、ほのかに森の緑の香りがした。3年ぶりのそれをパクッと頬張れば、塩漬けにされた山帰来の葉の程良い塩味と森の緑の香りがお口の中で広がった。そして、生麩を活かしたもちもちの皮の中から控えめな甘味のこしあんがすべてを包んで僕の食道の中を静かに流れて行った。粒あん派の僕でもこれはこしあんがいい。

餡麩三喜羅

大口屋 布袋本店の僕のレビューとマップ(詳細)はこちら