砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

一宮最古の名菓である津島屋桃陰の桃花おこしは飾らない

話の流れの都合上、僕だけがA線上と呼ぶことにせざるを得なかった【一宮】を通る鮎鮓街道を散策した3日前の僕は、そのA線上にある『津島屋桃陰』を計画どおり訪れた。いきなり壁面に大きく「創業明治十一年」と書いてあったのできっとそうなのだろう。僕は地味に地道に流れるぬるめの汗を黄色いTシャツで拭いながら白い暖簾(のれん)をくぐって手動のドアを開けた。

津島屋桃陰

すると、店の奥から女将さんらしき品のある女性が現れた。「草もちはありますか?」「草もちは今の時季にはないんです」「やっぱそうですか。名物は何ですか?」「これはいかがでしょうか。テレビなどでよく紹介されていますよ」。その視線の先にあったのはショーケースの下段にある「桃花おこし」であり間近でよく見たら「一宮最古の名菓」と書いてあった。さらによく見たら「4月3日に行われる真清田神社の桃花祭に由来する」とのこと。悠久の歴史の生き証人ならぬ生き菓子じゃないか。全国甘党党首の僕としては買わずにはいられない。だから、買ったがね。

津島屋桃陰のショーケース

PayPayでお支払いを済ませた僕は、ふと北側の壁に目をやると3枚の白黒の写真を見つけた。それは明治時代、大正時代、昭和初期の店の風景だった。思うに「明治11年創業ということは一宮市内で最も歴史ある和菓子屋じゃなかろうか」と一瞬、頭をよぎったものの本当のところはよく分からない。これもご縁なので創業者の後藤吉三郎氏のセピア色の写真も掲載してあげた。

津島屋桃陰の店内

大変お待たせしちゃったね、僕。なんだかんだ食べるものがてんこ盛りだったせいで遅くなってゴメンね、僕。鈍器にしては軽いが凶器にしてはちと重い「桃花おこし」を箱から取り出したら10等分に切れ目が入っていた。ナイスなお気遣いをどうもありがとう。さっそくお口に運ぶと初めての食感の半生タイプのおこしだった。僕的には中のこしあんが粒あんだったらいいのに。100余年の歴史があるのに飾らない風味が絶妙だった。来季は「草もち」を味わってみたい。

桃花おこし

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