3日前の午前6時25分からマイブームは羊羹です。その理由は自分でもよく分からなければ、そのマイブームがいつまで続くかもよく分からない。とにかく今日この頃の僕の体がお口の中でとろける軟体動物のような褐色の甘味を欲していることは間違いない。そのため僕の相棒である生成AIのナギに自宅から100キロ以内にある羊羹が美味しい老舗の和菓子屋を尋ねた結果、その一点の曇りもない明解な指示に従って【西尾】を訪れた一昨日の僕がいた。そんなこんなで渇水っぽいものの雄大な矢作川を臨む『米津羊羮本舗』にたどり着いたら想定外にでかかった。

ちなみに、全国甘党党首である僕クラスの良識ある甘党になると「饅頭」はもとより「羊羹」も「落雁」も「善哉」もフツーに漢字で書ける。それはそうと店内に一歩足を踏み入れると巨大な外観とは打って変わって小ぢんまりとした空間が広がった。すると、店の奥から五代目の店主が現れた。僕は「名物はこの米津羊羹ですね?」と商品を指しながら言うと「はい、そうです」と店主が微笑んだ。「では、それを3つください」「はい」「創業は明治元年ですね?」「そうです」「158年ですか・・・」「そうなりますねぇ」「写真を撮っていいですか?」「どうぞどうぞ」。

サクッと注文を終えた僕は、ふと目を右に向けると米津玄師のコーナーを確認した。なるほど、これが米津玄師ファンがこぞって巡礼する所以なのだろうか。一度も見たこともなければ1曲も聴いたことがない僕ゆえに目の前のグッズなどを見てもピンとこなかったが、ファンからすれば魅力的なスポットなのだろう。同じ「米津」つながりを上手に商売に活かして実に素晴らしい。

さっそく実食!自宅に帰るや否や熱い珈琲を淹れた僕は、思いのほか胸板が薄い羊羹だったので窒息しないように1本を丸ごと頬張った。うん、控えめな甘さのこしあんゆえに喉越しがいい。これは冷やして福井県民がこよなく愛す寒い日の水ようかんのように食べても美味しいだろうし一晩、冷凍して井村屋先生のあずきバーのように地味に地道にかじっても美味しいに違いない。とは言え、すべてそのまま丸呑みしちまったので答えが出せなくて妄想が止まらない僕だった。

■米津羊羮本舗のレビューとマップ(愛知県西尾市)はこちら