砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1888滴:完璧なニセモノ

ここまで無能な人間も学術的に貴重と思われるハトヤマ君が訪韓した日、 そこそこ有能な私もソウルにいました。

ボーっと南大門市場のメイン通りを歩いていたとき、鞄屋のポン引きが 「社長!完璧なニセモノがありますよ」と話し掛けてきました。

「私は個人事業主だ」と心の中で呟きながらも、 持て余す時間をこの男に少し分け与えようと思いました。

杉山弘道:アンニョンハセヨ。で、完璧なニセモノってどういうことよ?

ポン引き:おぉ!社長、う~ん、世の中に完璧なホンモノがありますか?

杉山弘道:ほう。

ポン引き:有名なデザイナー本人が作れば完璧なホンモノだけど、 その弟子が作ったのをデザイナーが認めたらホンモノになるのは インチキと思いませんか?

杉山弘道:ほう、一理あるね。

ポン引き:うちは全部ベテランの手作り。完璧なニセモノよ。

杉山弘道:師匠から追認されただけの中途半端なホンモノは、 言ってみれば名前だけのインチキ商品ということか。

ポン引き:ちゅいにん?・・・

杉山弘道:そう、ちゅいにん。

ポン引き:完璧なホンモノは、あっても1つだけよ。

杉山弘道:いい話だ。カニのハサミだ(カムサミダと同じ)。

ポン引き:これ、10万ウォン、8000円。安いよ、どうですか?

杉山弘道:私は、それがホンモノであろうがニセモノであろうが、 要らないものはゴミと同じで要らない。

ここまで引っ張って怖かったので、私は速攻で雑踏の中にまみれました。

完璧なニセモノを認める気などサラサラありませんが、 たしかに中途半端なホンモノモドキ=インチキ商品は世の中に多いです。

言ってみれば、FC(フランチャイズ)だってまったく同じ。 岡本太郎が描いた各作品群は、世の中に1つしかありません。

この世の中は、中途半端なホンモノに翻弄されているだけなんだ。

そんなことを南大門市場のポン引きから改めて気づかされました。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

そこでソウル滞在の最終日から凄まじい嘔吐&下痢で、 3日間で5キロも体重が落ちました。

しかも現在進行形です。このままだと7~8キロまで行きそうです。 痩せるのではなく、肉が削ぎ落ちるという感じで満身創痍な私です。

さっき鏡に映った自分の顔を確認したら、 壮絶な減量後の力石徹にそっくりでした。

もうダメかも知れない。。。

今日もバナナ1本とバニラアイス1個とオレンジジュース5センチと 養命酒数滴だけで過ごします。

では、また次回、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━