宮崎の2日目は先日、購入した青春18きっぷを利用して日南線を愉しんだ。

車両の側面にある行き先表示板を手動で交換するあたりが趣があっていい。

南郷行きの電車に1時間半ほど揺られレトロな港町の油津に着いた。今日は全国的に真冬日だったようだが、日南の空は絵の具を塗ったような青だった。

5分ほど歩くとサンプラージュ岩崎という寂れた商店街というかアーケード街があった。なんとかならないものだろうかと思案したが、なんともならないだろう。

大正10年頃に建てられた油津赤レンガ館が目立たぬようにひっそりあった。

油津を代表する景観の堀川運河と堀川橋が陽に映え、とても印象的だった。

日南線を油津から宮崎方面へ2つ戻ると今回の主たる目的地である飫肥へ。ちなみに、飫肥(おび)と読む。女性駅員の振る舞いが丁重で清々しかった。

今町橋の真ん中から滔滔と流れる酒谷川を見下ろし、山と空を眺めた。

信号でせき止められた小さな間口の路に入ると、そこは大手門通りだった。

その途中にある豫章館は、飫肥城下では最も格式の高い武家屋敷のようだ。

飫肥のシンボルの大手門。復元には樹齢100年以上の飫肥杉が使われた。
大手門虎口に身震いした。人っ子一人いなかったので360度を収めてみた。

空の青と壁の白のコントラストが、まるでエーゲ海に浮かぶミロス島のようだ。

とは言ったものの、ギリシアにもマレーシアにも私は一度も訪れたことはない。

だが、シンガポールには一度だけ訪れたことがある。その際、せっかくだから隣国のマレーシアに行っておけばよかった。なぜかそんな後悔で凹んでいた。

しかしながら、一瞬で気を取り直すと旧本丸跡へと続く石段を丁寧に登った。

旧本丸跡には、樹齢100年以上の飫肥杉が整然と林立していた。

貴重な飫肥の商人屋敷で小豆あんロールをいただき、熱いお茶で味わった。

この界隈の店のほとんどが食べ歩きマップの加盟店だったので、なにかしらの特典と交換した。街ぐるみで盛り上げている雰囲気が伝わり、とてもよかった。

空腹のピークだったので松万という食堂で鰻丼を食べた。だが、ゴムのような鰻だった。カレーライスやオムライスを扱うような店で注文した私がバカだった。

飫肥駅の正面。飫肥は小京都のような風情ある街並みで大変気に入ったが住もうとは思わない。ここはここでいい街。それ以上でもそれ以下でもない。

さらに日南線を宮崎方面へ戻った。それにしても電車の本数が少な過ぎる。

約40分で青島駅に着いた。2つ上の飫肥駅のそれとは打って変わった感じのポップカラーな駅舎だった。海に近いせいか、腹が立つほど風が冷たかった。

午後4時。日没まであと1時間ほどだったが、まだ辺りは明るく、美しい景色を堪能できた。観光バスで来た客が大勢いた。一人旅は私くらいのものだった。

青島神社でトイレを借りよう思いきや、「50円」と書いてあったので我慢した。

干潮時には波状の隆起が現れる「鬼の洗濯板」が目の前で実に見事だった。