砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

君がそれを選んだ理由

今回は、「君がそれを選んだ理由」を叙情的に語ろう。どうせ知らないと思うが、河井寛次郎という陶芸家がいた。彼が書いた詩に「私は木の中にいる、石の中にいる、鉄や真鍮の中にもいる、人の中にもいる。一度も見た事のない私が沢山いる。(中略)好きなものの中には必ず私はいる」というのがある。ボーっと口を開けて犬が星を見ているような間抜けヅラで聞いてんじゃねぇぞ。つまり、君がそれを見たとき「その中にまだ見ぬ自分の姿を垣間見た」から手を伸ばしたんだよ。車や時計だけでなく、今の夫や妻を選んだのは、その中に「楽しそうに微笑み、輝いている自分」を見つけたんだ。なぜなら「それが好きだった」から。嫌いなものの中には自分はいない。その詩の最後は「私は習慣から身をねじる、未だ見ぬ私が見たいから」となっている。