砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

達観する練り物のささやかな矜持

素材の風味を全力で感じたい僕は、基本的にソースや醤油などの安易な調味料をほとんど使わない。だから、コロッケにも何もかけない僕だけど「揚げた時点で素材の風味は消える」とよく言われる。そして午前11時25分、ネットで20個ほど注文した大好物の『まる天』の「じゃがバター天」と「海鮮かき揚げ天」が届いた。当然のようにソースや醤油、柚子こしょう、ましてやマスタードなど使うはずもない。しかしながら一度は試してみたい井村屋先生のゆであずき缶。お察しのとおり僕、味覚オンチだから哀川(笑)。ま、味覚オンチなりにも「じゃがバター天」と「海鮮かき揚げ天」の両者とも偏差値63レベルで確実に絶品だったが、さすがに練り物だけあって膨満感が止まらない。思うんだけど、練り物って決して食卓の主役ではないよね。織田信長の家臣に例えれば、すき焼きが豊臣秀吉でステーキが柴田勝家でおでんが明智光秀でそうめんが森蘭丸で練り物が滝川一益だろう。どうせ君たちのことだから滝川一益なんて知らないよね?この場合、丹羽長秀にチェンジしても可。練り物の「別にがっかりされてもいいや。ボクはボクのままでOKなんだ」という潔さが大好きだ。

まる天