砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0379滴:シェイクスピアと聖書とプルースト

昨日、午後8時に寝たら午前1時に目が覚めた。午前2時に缶ビールを 2本飲んで午前3時に散歩に出かけたら若い派出所の警官に職質された @なにしてるの?って聞かれても散歩ですとしか言えなかった杉山です。

ちなみに、なんでこんな時間に散歩してるの?って聞かれても、そんな 気分だったのさ。どうして酔ってるの?って聞かれても寂しかったのさ。

さぁ、そんな午前5時30分に新聞配達の人から直接、新聞を受け取って ご満悦ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■ここはどこ?と言うくらいタバコの煙が充満したバーのカウンターで、

ナオミが黒髪をかき上げて言った。「私は第一、酔っ払いが嫌いなの、 第二に、酔っ払う自分が大嫌いで、第三には、酔っ払いが大嫌いなの」

■すでに酔っていた。

こんな私は、キレイに白髪を整えた品の良いバーテンに注文をした。 咳き込みながら「マティーニを、ステアじゃなくシェイクしてくれ」

■「ジェームズ・ボンドですか」バーテンの目尻だけが静かに笑った。

本来はステアをするマティーニを、シェイクをするように注文する ジェームズ・ボンドの決めセリフだ。でも、私が言うと決まらない。

■なぜなんだ。するとバーテンが「アメリカの探偵小説では、タバコは

ラッキー・ストライク。ウイスキーはフォア・ローゼス。日本じゃあ、 マイルド・セブンとサントリー・オールドと言ったところでしょうか」

■そう静かに語った。すびばせん、話の展開がまったくつかめなかった。

私がマティーニを少し口に含んだとき「私にはすすめないのね?」と ナオミが言った。「もう飲まないと思ったんだ」「それお世辞なの?」

■彼女のディオールの鞄の中に、プルーストの分厚い一冊を発見した。

私の大切なマティーニに唇を寄せながら「今、翻訳をしているのよ」 そう小さく呟くと一気に飲み干しやがった。バーテンが目を伏せた。

■追加注文をしようかどうか悩んでいるこんな私に、ナオミが言った。

「昔の有名な言葉に、生涯で必要な本は、シェイクスピアと聖書と プルーストの3冊だけって言葉があるわ。マティーニをお願いね」

■私は背を向けて、財布の中のJCBカードを確認した。ゴールドだ。

とりあえず今日は、カード決済だ。「変わったTシャツね。背中に なんて書いてあるの?」とナオミ。「砂漠王」と小さく私が答えた。

■西側の壁の中央には、一枚のロートレックがかけてあった。それは、

“ル・ディヴァン・ジャポネ(日本の長椅子)”と言う作品だった。 「世の中には余分なものが多過ぎるのよ。プルーストだけで十分よ」

■彼女が“日本の長椅子”を眺めながら呟いた。そして私も目線を追った。

その中には、マイルド・セブンとサントリー・オールドが描かれていた。 「ロートレックはプルーストと同じフランス人ですが」と白髪が笑った。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

結局、何が言いたいのか分からなくなってしまいました。

では、これからビジネス・ハードボイルドのエンディングでも考えます。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━