今日の私は歴史的に機嫌が悪い。6時間前に「郡上八幡まで流しそうめん食べに行かない?」と友人から電話で誘われたからだ。な、流しそうめんだとぉおお!当然、断った。竹樋に流れてくるのは他人の唾液にまみれたそうめん。ひょっとしたら他人の箸に引っ掛かったものがすり抜けて流れてくるかもしれない。想像しただけで右腕が鳥肌で左腕が鮫肌になりそうだ。もし仮に私が行くとすれば、必ず一番上の上流か、熟女または熟々女と2人きりのシチュエーションしかあり得ない。誤解しないで欲しい。私は郡上八幡をこよなく愛している。春先のスギ花粉と真夏の郡上おどりさえなければ住みたいくらいだ。人ごみが苦手なので郡上おどりは国府宮のはだか祭の次に生理的に受け付けない。また、その友人を恨んでもいない。そんな誘いを受ける自分の未熟さに腹が立ったんだ。人ごみが嫌いだから今、長良川の花火を自宅から見ている。今宵はジョン・コルトレーンが奏でるサックスの甘美な響きに身も心も救われた。