バブリーの真っ只中に輝いていたパストールが大江戸温泉物語グループに吸収されちまった衝撃的な出来事はいくら新聞を読まない君たちでもご存じだろう。この僕がこよなく愛した下呂温泉の常宿が大江戸温泉物語 下呂新館にダウングレードしてしまったとは言え、そこは昔の面影を今一度、鮮明に蘇らせることは難くなかった。9人という大所帯で下呂を満喫しよう。どうせお会計は僕一人だし。その前に大好物の郡上八幡を訪れた。あんなことこんなことをしながら約1時間半ほど山と水と空を堪能した。騒々しい郡上おどりと忌々しいスギ花粉さえなければこの僕が住んであげてもいいんだよ。
その後、ゲルマン民族の大移動の如く下呂方面に向かった。到着するとチェックインまでの3時間を隣接するクアハウス、つまり温水プールで大いに楽しんだ。館内も室内もパストールのままだった。ほら、ご覧。大江戸温泉物語名物のバイキング料理と言えば、東海三県の低所得者層の縮図のようなただひたすら慌しいだけの光景が目に飛び込んで来た。この中に自分がいると思うだけで自己嫌悪に陥りそうだった。パストールのように素泊まりプランがあれば別だが、なければ再訪はないだろう。