砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0771滴:ある小さなお店のお話

飛騨高山に向かうために東海北陸自動車道を時速75キロで走っていたら、 片道だけで87台に追い抜かされた@高速は時速80キロ未満の杉山です。

ちなみに、東名高速であっても時速80キロを上回ることはあり得ません。

ですから、黒いセンチュリーにぼわれても必ず道路交通法を守り抜きます。

さぁ、そんな美並IC付近で三重急行のバスだけゆずり車線で追い抜けた ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■高速に乗って片道130キロもある飛騨高山に行ったのは、

ラーメンを食べたりネタを集めるためだけではありません。 確かにラーメンを食べてネタの写真はたくさん撮りました。

■神奈川県で小さな会社を営んでいたお客さんがいます。

その初老の男性は一昨年の寒い冬に会社を閉じました。 2時間ほど電話でお話していたら行きたくなりました。

■初老の男性は年に2回だけ飛騨高山に行っています。

春の高山祭りと秋の高山祭りが終わった3日後です。 祭りが終わった後の雑然とした空気が好きなんです。

■初老の夫婦がある小さなお店に毎年行っていました。

そして、一昨年に奥さんが亡くなりました。だから、 20年以上も続けていた小さな会社を閉じたんです。

■そして、その小さなお店には夫婦で3年ほど行きました。

だから、初老の夫婦は6回だけ小さなお店を訪れました。 一昨年、初老の男性は一人きり小さなお店に入りました。

■するとそれまでと同じように目の前にお茶が2つ出されました。

初老の男性は黙っていました。お店の主人もなにも言いません。 その翌年も翌々年も同じです。まったく同じ時間が流れました。

■きっと分かっているんだね、と初老の男性は私に言いました。

以前、加賀かどっかの温泉で同じようなお話を耳にしました。 そう、あまりに感動したので飛騨高山に行きたくなりました。

■しかし、初老の男性はそのお店の名前も場所も言いませんでした。

私もあえて聞きはしませんでした。自分一人だけの想い出として、 きっと言いたくなかったはずです。心が通い合うお店もあります。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

そう、あまりにいい話で感動したので飛騨高山に一滴増した。 でも、そのお店の名前も場所も分からないのでそれまでです。

しかし、なんとなく満足はしました。 本当に歴史のある街はいいものです。

そして、寡黙ってただ黙ってりゃいいってもんじゃなく、 相手の心の中を通じて喋ることじゃないかと思いました。

お喋りな奴でも決して心が通い合うとは限りませんし、 寡黙で静かな奴でも心が通い合うときはあるはずです。

そんな人間になりたいしそんな仕事がしたいと思います。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━