砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0895滴:要らないマニア垂涎

悪くなってきた視力を回復させるために部屋の窓から見える実家の壁面に 緑色のガチャピンのポスターを貼った@恐ろしい形相で叱られた杉山です。

ちなみに、アロンアルファで貼ったことが義母の燗にさわったみたいです。

ですから、孤独な私をいつもガチャピンは窓の外から見守ってくれました。

さぁ、そんな義母に向かって「ニコチャン大王」と言ったら殴られかけた ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■本棚にひっそりと並ぶのは数冊のお気に入りの小説です。

ドラッガーのような小難しいビジネス書などありません。 しかし、トヨタに関する本は貪るように読みまくります。

■それは考え方が超保守的だからです。

会社が長く生き続けるそのためには、 まずは保守的であることが一番です。

■私は車に関してはまったく興味などありませんが、

私の周りのカー・マニアたちはトヨタを嫌います。 ホンダやスバルの凝った車がとってもお好きです。

■しかし、売れる車はトヨタの車です。

決していいものを作るんじゃなくて、 よく売れるものを作ればいいんです。

■もっと言ったら、売れるものがいいものなんです。

いくらカー・マニアたちに気に入ってもらっても、 その数は日本中の自動車人口の中のごく僅かです。

■もっと言ったら、マニアに相手にされない方がOKです。

マニアにウケる仕事をすることはとっても楽しいんです。 それは独創性を発揮したり奇をてらったりするからです。

■しかし、奇をてらった結果にいい成果はまずありません。

世間はそんな突飛押しもないものなど望んではいません。 珍しいものや変わったものはその年だけしか売れません。

■大切なのは独創性とか奇をてらった考え方ではなくて個性です。

売るための打つ手段は一般ウケする最大公約数しかありません。 広げた風呂敷の中から秀でたものを突出させた一つが個性です。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

簡単に言ったら、楽しい仕事は儲からないってことです。

来る日も来る日も同じような作業ばっかしている会社は、 必ず儲かっているはずです。それが売れているんだから。

ちなみに、垂涎という言葉は「すいぜん」と発音して、 涎(よだれ)を垂らしながら欲しがるという意味です。

トヨタは80点合格主義なんですよね。 当然、100点まで取れる会社ですが、

満点を取らなくても80点で売れます。

それをマニアにウケるような120点を目指していると、 数年後には自動車博物館に飾られるだけの車になります。

大きな会社だけじゃなくて小さな会社にも言えるんですが、 きっと会社に独創性やオリジナリティーは必要ありません。

それを追い求めると楽しいだけの仕事をし始めるんです。 でも、会社を長く続けるためには売らなきゃいけません。

売れる発想は大きく広げた風呂敷の中にしか存在しません。 その中にある最も秀でた一つがその会社の個性になります。

多くの人が真似ができる保守的な会社が優れた会社です。 だれも真似ができないような革新的な会社は続きません。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━