高校時代の夢が「歯科技工士になること」という1人の知り合いがいます。
50歳の彼は、今では普通のサラリーマンです。異常なサラリーマンでも 歯科技工士でもなくて本当によかったと思います。
35年前のその仕事は、きっと将来が約束されたものだったのでしょう。
しかし今では国家資格とは言え、年収が400万円にも満たない職業で、 国会において問題視されるほどとなっています。
まぁ、血気盛んな高校男子が歯科技工士になりたいと思うのもなんですが。
そう、親御さんの問題です。子どもたちは、 その職業の善し悪しをまったく知りません。
多くは、キムタクがドラマで演じた職業を目指す程度の頭しかないんです。
ただ、歯科技工士という位置づけは非常にいいポジションです。
A:歯科医 B:歯科技工士
この場合、将来の夢として歯科医を目指す人のほうが圧倒的に多いです。
しかし、Aのポジションは景気や世の中の情勢、または業界そのものが 時代の流れとともに変貌、若しくはその価値が低くなる可能性もあります。
要は、目立つので叩かれやすい。
ところが、Bのポジションを叩く人はそうはいません。 その代わり、いい思いをすることもあまりありません。
また、町工場で言うところの元請けと下請けの関係とも異なります。
だから、世の中を生き抜くためにBの職種を選ぶセンス自体は 非常にOKなのですが、いかんせんそれを支えるAが悪いと共倒れです。
ポジションはBで正解。 ただ、Aとなる業界を1つに限定しないことが肝心です。
例えば、例えばですよ。東山動物園のカバの歯型を作るとか。。。 そーいう需要があるかどうかは別にして、要は汎用性があるかどうかです。
一昔前までは、いくら景気が悪かろうが「その業界」自体がなくなることは ありませんでした。しかし、今では時代と流れと変貌で簡単になくなります。
しかし、その人自身が習得した「その職種」自体はなくなりません。
業界はなくなる。職種(技術)はなくならない。
┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────
ただ、何度も言っていますが、それが国家資格だと非常に厳しい。
法律に守られる仕事は、法律に殺されます。
国会で改正されれば終わりだから。もっと言えば、国会を通さず 役人が勝手に決めることができる省令というのもあります。
法廷に立てるのは弁護士の専売特許だったのが、今では 簡裁に限ってですが司法書士でも立てるじゃないですか。
専売特許という言葉自体、まだご存命なのでしょうか。
私もAではなく、絶対にBのポジションの仕事を選びます。
だって楽だもん。
Aは盾にもなるし矛にもなる。だから、 よくても悪くても確実に叩かれます。
Bは盾にも矛にもなりません。しかし、 その業界にとってなくてはならないものには違いありません。
ちょっと疲れたので、その先はそれぞれで考えて下さい。
では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━