砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

ボクとカノジョの晴れ風の物語 by『ハートカクテル』風

西に窓がひとつ。南に窓がふたつ。ボクは南の窓を臨むように白いソファを置いた。時計の針は午後2時26分を称えていた。ボクは北に背を向けて缶ビールを飲んだ。それからボクは毎日、自分を見失わないペースでビールを飲んだ。「やァ」「ただいま」「久しぶりだね」「え?3日前に会ったばかりよ」「うん、だからだよ」。ふふふ、カノジョは笑った。ボクも笑った。カノジョはブラウンの紙袋を差し出すと「あなたのお城に加えてくれる?」と微笑んだ。ボクはブラウンの紙袋の中の正体を知ると「もちろん。てっぺんにね」と言った。「じゃあね」「うん、じゃあ」。クアーズ、ハイネケン、バドワイザーの空き缶の城の頂をターコイズブルーの晴れ風が吹いた。

晴れ風