あくまでも仕事のひとつとして行脚している城めぐりを少しだけ休憩し、尾道へ向かった。暑いくらいの快晴だった。駅の向こう側の小高い山にある建物は城ではない。
寂れているとは分っていてもアーケード街フェチなので尾道本通りを闊歩した。
千光寺新道を上ったが、ここでいいのか観光マップを再三にわたり確認した。
志賀直哉は『暗夜行路』が有名だが、個人的には『城の崎にて』が好ましい。
急な坂道を上がったり下ったりしているうちに15センチくらいの空腹感を覚えた。
壱番館で「あぶりチャーシューラーメン」を食べたら18センチくらい満腹となった。
要は飽和状態ということだ。その後、千光寺山ロープウェイで山頂を目指した。
千光寺からの眺めは偏差値61レベルで「死ぬほどステキ!」と叫ぶほどでもなかったが、たしかによかった。
山頂からゆっくり坂道を下ったが、個人的には長崎の坂道のほうが好ましい。
タクシーで宿泊するホテルに向かった。真っ赤に映えた夕焼けが美しかった。
フロントの女性が女子アナの西尾由佳理に似ていた。対応はとても良かった。
1733円の追加料金を支払えば鰆のグリルから和牛のステーキにバージョンアップすると聞き、断腸の思いで決断した。だが、このときすでに満腹だった。
女性スタッフが土鍋で焚かれたひじき御飯を微笑みながら丁寧に混ぜていた。