砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

人間万事、穴の快感

「首から上の治療って嫌だよねぇ」と思っていたのは30代後半までだろう。40歳を過ぎた頃には「何だかゾクゾクする。こ、この胸のときめきは何だ?」と感じ、生まれて半世紀を過ぎるとそれが男性医師であっても「今日もよろしくね」となった。それは眼科の目、耳鼻咽喉科の耳や鼻、そして歯科の歯だ。これらの共通点を発見したのは42歳を3か月くらい過ぎたあたりだろうか。そうだ、「ひょっとして穴?」とそのときこの僕は気付いちまったのさ。目や耳や鼻ってさ、顔の穴だよね。領下眼科の女医に薄暗い室内で薄っぺらい網膜を見つめられたり宮崎耳鼻咽喉科ののび太君のような先生に「は~い、お耳の中を見せてくだたい」と言われて入念に外耳炎の治療をしてもらったときのあの感触と言ったら言葉に言い表せないほどの快感だがね。そして、穴の最たるものがお口だろう。はい、ムダに長い巻頭文はここまでです。大阪でパカッと取れたシルバーの詰め物を持参した僕は、金森康記先生に無痛で治療してもらった。この僕のお口を一人占めできて本当にハッピーだったね。