砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

穴の悦楽 by 井之頭五郎ちゃん風

朝、目が覚めたら右の耳から耳垂れが出ていた。フツーの人間なら泣き叫ぶところだが、異常な僕はそうはいかない。もうダメかもしれないと腹をくくったが、念のために近くの耳鼻科へ行ったった。ネットで予約したら14番だった。あまり好きな数字ではない。何気に不吉な予感がした。BMIの数値が30を超えているのび太君のような医師が「鼻から診ますね」と言った。不覚だった。まさか耳垂れの診察で鼻の穴をのぞくとは。心の準備が整わないまま鼻を差し出した。するとなんだろう、歯科でも眼科でもそうだが、口や目など穴という穴をのぞかれると妙にゾクゾクっとする僕がいる。では、いつもの井之頭五郎ちゃん風につぶやいてみよう。おいおい、俺をこんな気分にさせるなんてクセになりそうだ。うん、いいぞ、これこれ。ん?おぉ!耳の中で肉汁のような耳垂れがジュワッとあふれ出しそうだ。いい、すっごくいいぞ。こんなに綿棒って気持ちのいいもんだっけ。おいおい、あっと言う間に診察が終わってしまったぞ。ふぅ~、なんだか笑えてくるな。ごちそうさまでした。