砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

人力車と志摩とひがし茶屋街の金箔のソフトクリームに感動した僕たち@石川県金沢市

努力と根性と修行の親孝行接待ツアーの2日目も昨日と同じく腹が立つほどピーカンのブルーなスカイだった。この調子だよ僕。天気がいいだけで偏差値55の足切りレベルはクリアできる。午前7時、オープンと同時に不本意ながら2番目に朝食の会場に左足から入った僕たちだった。笑ってしまうくらい美味しそうな料理が並んでいた。案の定、心配したとおりというかいつもどおりというか、義父である勝っちゃんは皿をこれ見よがしにてんこ盛りにしてテーブルに戻ってきた。ランチで訪れるはずだった洋食店に行く計画も間違いなくパーになるだろう。まあいい。

THE HOTEL SANRAKU KANAZAWAの朝食

午前10時、チェックなアウトを済ませるとフロントに荷物を預けて『ひがし茶屋街』へと歩いて向かった。せっかくだからと円長寺から出発する30分コースの人力車に乗った。俥夫(しゃふ)のせんちゃんに「この夏、仕事を終えると1日に何キロくらい痩せた?」と尋ねたら「約10リットルの水を飲んでも3キロは痩せました」とのこと。義父&義母の2人も大喜びだったのでそれなりの費用は掛かったものの我ながらナイスなイベントだった。世の中、お金よ、お金。

浪漫屋の千田健人さん

ほぼほぼ30分間の実りある観光を終えてせんちゃんに別れを告げると重要文化財の『志摩』に入った。1820年の江戸時代に造られた格式高いお茶屋の建物であり2階を客間としたお茶屋特有の繊細で優美な造りとなっている。お茶屋の建物で重要文化財は全国でもここだけだとか。

志摩

2階の客間からそっと中庭を見下ろした。いい。すこぶる癒される空間であり雰囲気でもある。すると、そのとき今は亡き名優の西村晃にそっくりの紳士が僕たちを前にして滔滔と『志摩』についての歴史観や見どころポイントなどをちょっぴり上から目線で垂れ流してくれた。その後、1階のお茶室「寒村庵」で飲み応えのあるお抹茶と一口で消えちまいそうな生菓子を楽しんだ。

志摩

今から200年以上も前の江戸時代の高貴な風情を楽しんだ僕たちは、テトリスのような石畳の『ひがし茶屋街』を少しずつ切り分けるように丁寧に見て回った。ふと見渡せば、どうやら外国人のカテゴリは「ん?加藤さん?」と声を掛けたくなるようなアジア系のほうが多い気がした。

ひがし茶屋街

この際、佐藤さんでも田中さんでも可。人力車の俥夫のせんちゃんに教えてもらった前田利家公ゆかりの『宇多須神社』を参拝した。すぐ近くを流れる浅野川あたりの小丘から出土した古鏡の裏面に卯(う)と辰(たつ)の紋様があったことから卯辰神とし創建された。その後に宇多須と改められた。僕は、いつもどおりここまで無事に来ることができたお礼を述べて手を合わせた。

宇多須神社

まったく厄介なことに義母であるすゑちゃんは爬虫類いや、無類のソフトクリーム好きである。よって、この僕のシナリオには明記されていない『箔一 東山店』の贅沢にも金箔まるごと1枚をペタッと貼り付けた「金箔のかがやきソフトクリーム」を満喫する流れとなりました。箔一(はくいち)だけに価格は891円だったけれど1円はサービスしてくれた。僕が確認しただけでも2時間はずっと行列だったのでソフトクリームだけでも笑いが止まらないくらい儲かるだろう。

一旦、ホテルに戻った僕たちは、ステキなスタッフたちに笑顔でお礼を言うと預けていた荷物を持って無料シャトルバスに乗った。そして、その20分後にJR金沢駅で降りた。ご存じのとおりホテルの朝食を過剰に摂取したがゆえにランチを満喫していない僕たちだった。そのとき駅構内にあるカウンターだけのお洒落なおでん屋をロックオンした僕がいた。2品くらいつまもうと映画『家族ゲーム』の食事のシーンみたく席に着くとパッと目に留まった「ちくわのたまご(450円)」と「車麩(230円)」を注文した。すると、目の前に供された皿には「ちくわ」がなかったので「ん?あれ?」と思っていたら店名が『かなえきのちくわ』だった大和田(爆)。

かなえきのちくわ

そのとき僕はピチピチの59歳で16時48分発の特急しらさぎ14号の3号車の17番C席の丁寧に倒したシートに静かに座っていた。その15分後、駅構内で買った見せ掛けだけの駅弁の「金沢三昧」を目と鼻の先の距離にいる前提のガッキーが濃厚な微笑みを浮かべながら「今回の接待旅行、おつかれ生です」と缶ビールを差し出してくれているセピア色の妄想に浸っていた。

金沢三昧と缶ビール

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