砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0780滴:プラスチックにさえも劣る小さな人格

月のクレーターのような丸い穴が空いた口内炎にハチミツを塗っていたら、 250gのチューブを空にしてしまった@最後の方は飲んでいた杉山です。

ちなみに、チョコラBBやハチミツでも治らないのでビールを飲みました。

ですから、この激痛を緩和させるためにアルコールで軽くマヒさせました。

さぁ、そんなもう甘いもんは食べずにビタミンを採ると神様仏様に誓った ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■ほっけにイカげそ、ねぎまになんこつ。

あさりバターに醤油を少々、垂らして、 海老ベーコンを中華おこげと堪能した。

■生ビールの中ジョッキも3杯目となり、

そろそろ仕上げの鮭茶漬けを注文した。 私の横には一人の男と一人の女がいた。

■一人の男はちょっと売上げが伸びてきた小さな会社の社長で、

一人の女は柳ヶ瀬のクラブで毎晩働いているお姉さんだった。 要は、そのお二人の同伴出勤に付き合わされたってことです。

■しかし、構いません。思いっ切り食って酔っ払ったとしても、

若宮町からなら歩いて帰宅できると思って脇目もふりません。 そして、鮭茶漬けを最後の一粒まで口の中に入れたそのとき、

■左隣の社長が「どれ、使えるかなぁ~」と財布からカードを出しました。

まるでトランプのババ抜きのようにカードを扇型に広げると笑いました。 私は一気に酔いが覚め“炉端でカード使うなよ”と心の中で呟きました。

■武骨な感じの大将は「どれでもいいですよ」とボソッと言いました。

これほど他人と一緒にいて恥ずかしい思いをしたのも久し振りです。 案の定、多くの人間を見ているクラブのお姉さんも苦笑いしました。

■私はきっとお姉さんにいいところを見せたかったんだと思いました。

お店を出て「カードは1枚出せばいいじゃないすか」と私が言うと、 その社長は「杉山さんはゴールド何枚持ってるの?」と返しました。

■あぁ~、お姉さんじゃなくて私にいいところを見せたかったんだと、

そのとき分かりました。私は「1枚だけですがそれもやめます」と、 冷めた目で言うと「あんなんプラスチックですから」と続けました。

■社長の後ろに立っていたお姉さんは私の目を見て静かに頷きました。

よく見ると松雪泰子を3発ぐらい殴った感じの美人だと思いました。 すると「カードは信用がないと作れないからねぇ」と性懲りも無く、

■クッキングパパに似ている社長は論点を外して言いました。そして、

社長の後ろに立っていた松雪泰子は目を閉じて顔を横に振りました。 きっとなにを言っても通じないと思った私はもう二度と会いません。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

熱い鮭茶漬けを一気に食べたときに軽く口の中をヤケドして、 きっとそこから口内炎がエイリアンのように発生したんです。

で、その社長は「学生時代にもてなかった」とか、 「僕はお見合い結婚なの」といつも言っています。

だから、私にどうして欲しいの?と思っていましたが、 きっと目には見えないライバル心があったのでしょう。

私はダイナースとかアメックスを自慢する奴なんて相手にしないし、 車のグレードとか腕時計の値段を自慢する奴なんて見下しています。

要は、自分の中身に胸を張れない奴なんて、 お金で仕入れた物しか自慢できないんです。

まぁ、寂しい奴と言うより哀れな奴ですね。

それから松雪泰子からクラブに来てとお誘いを受けますが、 まともな人間はタバコの臭いがする場所にはいないと思う。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━