砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0795滴:汚名の返上と名誉の挽回

東京から岐阜城に遊びに来た友人が天守閣から「汚名を挽回するぜ!」と 長良川に向かって叫んだ@汚名を取り戻してどうする?と思った杉山です。

ちなみに、私の中の常識では汚名は返上するもので挽回するのは名誉です。

ですから、『功名が辻』に憧れて来たのはいいけれど山内一豊には程遠い。

さぁ、そんなそいつの周りには7~8人いたのにだれも気づいちゃいない ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■汚名を挽回したい友人とは9月に会いました。

そのとき彼は2つの相談があると言いました。 私たちは岐阜城の天守閣の中でお話しました。

■彼は今から3年前に東京のアパレル会社でリストラに遭いました。

しかし、それをバネにして今では小さな会社の社長となりました。 だから、とにかく先手必勝で勝ち続けることだけを優先しました。

■心地良い風が吹く天守閣で「負けないよりも勝つ方がいいだろ?」と

彼は私に言うと「勝つよりも負けない方がいいその訳はなんだ?」と 成功者の目で訊ねました。「ちょっと待ってくれ。今から考える」と

■私は答えると長良川の上流を眺めながら考えました。

でも、私が眺めていたのは長良川の下流の方でした。 かなり姑息な具体例を挙げながら彼にお話しました。

■社員が1つのミスをするとそれを取り戻すのには3つの成果が必要です。

きっと2つの成果では社長からの信用は回復しません。だからと言って、 1つのミスの直後に3つの成果を上げたとしても帳消しにはなりません。

■たった1つの小さなミスは社長のアタマの中に、

いつまでもその社員の負債として残るはずです。 きっとまたいつか同じような場面に遭遇したら、

■彼は以前、同じような場面で失敗したと思い出すはずです。

そう、せっかくの3つの成果はどこにも現れては来ません。 要は、勝ったことよりも負けたことしか記憶に残りません。

■そして、どんな境遇でも長生きをすると言うのがこんな私の考え方です。

サラリーマンとして一社会人として一日でも多く生き長らえるためには、 勝つことよりも負けたと言う印象を自分の周りに植えつけないことです。

■「勝つことは簡単だけど勝ち続けることは難しい」と私は言うと、

「連勝が止まると言うことは負けるってことだろ」と続けました。 「その負けの印象の方が連勝の印象よりも鮮明だ」と言いました。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

ボクシングでもそうですが、勝った試合よりも、 おそらく負けた試合の方が印象に残るものです。

たしかに世間の噂は2~3ヶ月で消え去りますが、 同じような場面に遭遇すると世間は思い出します。

要は、記憶の中にインプットされているからです。

たしかにそんなものはほっておけばいいんですが、 積極的に勝つよりも無難に負けない方が正解です。

昨日も中日のウッズがホームランを打って、 今のところホームランが一番多いんですが、

昨年の乱闘で退場したことの方が鮮明です。

こんな私は成功哲学や儲けの法則を語る人間ではありません。 今の境遇で一日でも多く生き長らえることを言いたいんです。

そう、格好がいいか悪いかではなく生き残ったもん勝ちです。 勝ち続けることよりも負け続けないことの方が結構、楽です。

おそらく汚名を返上しただけでは名誉の挽回にはなりません。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━