砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0974滴:それっぽく、魅せる!技術

福岡県の社長に「できれば娘には嫁いで欲しくない」とメールを送ったら、 どうやら「稼いで欲しくない」と勝手に勘違いをした@その逆の杉山です。

ちなみに、高校の勉強は単位だけ取ればいいから稼げ!と言ってあります。

ですから、少しでも役に立つと思って「マーケティング課」を選びました。

さぁ、そんな頭の中で思い描いている私の理想は横峯さくらのパパなんだ ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■うなぎ料理を専門とするお店のご主人から相談を受けました。

ご主人といっても若干、まだ34歳の脱サラした二枚目です。 2年間ほど知り合いの料亭で修行をした後に独立をしました。

■案の定、なかなか常連客が居付かないようです。

是非、味見をして欲しいと頼まれて食いました。 私は「本当に美味い!」と心から絶賛しました。

■でも、彼は「杉山さんって味覚オンチでしょ」と呟きました。

そうです。私は繊細な味が分からない豪快な男だったのです。 そこで私は「世の中の9割の人間は同じだよ」と言いました。

■おそらく甘いか辛いか酸っぱいかしか分からないはずです。

3万円のブルゴーニュと3千円のチリワインの違いなんて、 ワインをこよなく愛すマニアでさえもきっと分かりません。

■要は、食べ物の商売は味で勝負をしてもお客は増えません。

周りを見渡せば納得しますが、古いお店になればなるほど、 前面に打ち出すのは「老舗」とか「元祖」という言葉です。

■決して「味が絶品!」とか「ほっぺが落ちる」などとはうたいません。

火事があっても100年間注ぎ足しているタレの壷を持って逃げると、 老舗のご主人はテレビや雑誌で胸を張りながら自慢げに言い放ちます。

■でも、実際に火事があったら金庫を持って逃げるはずです。

お金は燃えたら灰になるので自分の手元に残りませんけど、 うなぎのタレはバローや西友でも300円で売っています。

■注ぎ足したタレはなんとか無事だったと喜べば、だれも分かりません。

また、常連客はバローや西友のタレを「変わらぬ味だ」と絶賛します。 それに本当に100年間も注ぎ足したところで薄まっているだけです。

■そして、それはウソでもハッタリでも詐欺でもありません。それって、

そーいう屋号なんだから。100年間注ぎ足したタレという屋号です。 お客さんもお店側も満足するためには味よりも魅せ方だけが勝負です。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

そして、私は34歳の二枚目に「看板を作ったら」と言いました。 できるだけ腐りかけた古い板にかすれた文字で書けと言いました。

見た目にホルマリン漬けのような真新しい板よりも、 何百年の風雪に耐えたような古い板の方が重厚です。

だから、そーいうデザインなんだから。 なにも創業○○年とは掲げていません。

お客さんは味よりも見た目の方に安心して、 見た目がいいと美味いと錯覚するものです。

絶対にそうだと100%言い切れます。 料理は味覚とか視覚ではなく錯覚です。

第一、お店をそれっぽく魅せることもできないご主人に、 料理の見た目や味付けを満足にできるはずもありません。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━