38歳の女社長の会社の応接室で私が待っていたら中1の娘が入ってきて、 笑顔で「ママってレディースだったの」と言った@ジッと考えた杉山です。
ちなみに、ポール牧にそっくりな娘に「今はメンズなの?」と訊ねました。
ですから、ポール牧は「ううん、ママはゾクって言ってた」と答えました。
さぁ、そんなたしかに笑えないジョークを言うと舐めるように私をにらむ ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。
■肩まで伸びた茶髪は峠の下り坂のような曲線を描き、
長く整った爪には真紅のマニキュアが塗られていた。 深く吸った煙草の煙を右側の鼻の穴から出していた。
■そう、彼女は元レディースのリーダーだったのです。
なんだよ、そんなことこっちは知らねぇじゃんかよ。 私は、蚊の鳴くような小さな声でソッと呟きました。
■「は?」と元レディースは眉をしかめました。
「いえ、なにも…」と私は怯えて返しました。 「杉ちゃんさ、地盤を固めようと思うのよね」
■彼女は、マイルドセブンに火を点けながら言いました。
今から思えば、杉ちゃんという呼び方がヤンキーです。 そして「今は、地元を抑えるときなの」と続けました。
■「えッ?地元を抑える?」と私は思わず漏らしました。
地元を抑えるって、また族に戻る気なの?勘弁してよ。 凹んでいた私に「体調悪いの?」と彼女は訊ねました。
■「で、地盤を固めるってどういうことなの?」と私。
「全国に手を広げてもリスクがあるじゃん」と彼女。 彼女の会社は、三重県を中心に活動をしていました。
■あぁ。。そーいうことなのね。私はちょっとホッとしました。
そして「雨が降るのを待ってるの?」とやさしく訊ねました。 地盤を固めるということは雨が降るのを待つということです。
■地盤は固めるものじゃなくて勝手に固まるものなのよ。
たしかに「雨降って地固まる」と世間では言いますが、 いくら雨乞いをしたところで思い通りには降りません。
■地盤を固めると言う時点で、能がない証拠です。
次に打つ手がないから逃げているだけなんです。 と思ったけど怖いからなにも言いませんでした。
┃編┃集┃後┃記┃───────────────────
命は大切です。私は、身の危険を感じると極めて従順です。
多くの場合、地盤を固めるというのは、 非常によいことのように聞こえますが、
打つ手がないから逃げているだけです。
もっと考えてさらに手を尽くせば、 自分の足元は勝手に固まるんです。
固めるんじゃなくて固まるものなのよ。
分かったか!と彼女に言いたかったけど言えませんでした。 それに左側の鼻の穴は、どうやら詰まっているもようです。
命は大切です。
地盤を固める、地元を抑えると言った時点で終わりです。 次に打つ手がまったくないと公言するのと同じことです。
雨は、いくら両手を合わせて祈ったところで降りません。
では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━