4月に入り、とっくに入社式も終わったことだと思います。
するとそこそこの規模の会社では、新入社員を集めては 便宜上、朝から晩まで教育研修をやりまくります。
そこで1人の人事部長兼研修部長からメールがありました。
教育研修のときに最初に訓示する内容についての添削です。
もうこーいう面倒臭いというか些細な作業というか、 私にとってどーでもいいような仕事が嫌で仕方ないのですが、
以前におごってもらったことがあったのでザッとやりました。
メールに書かれてあったその内容をかいつまんで書きますと、
「人生も仕事も NO RAIN, NO RAINBOW(ノーレイン、ノーレインボウ)。
直訳すると、雨は嫌なものだが、その雨が降らないと美しい虹は出ない。 つまり、辛いことの後には、素晴らしい出来事が待っているものですよ」
とでも言いましょうか。
これはハワイの諺らしいですが、これをどう添削すればいいのでしょうか。
ただ、1つだけ思ったことを書いて返しました。
芳醇な果実を手に入れるために辛いことを我慢しましょうと言うのは、 目の前にニンジンをぶら下げて走らせるようなものとしか思えません。
仕事=雨という図式ですよね。とすると、 仕事は辛いものだが、それを乗り越えたらきっといいことがある。
こんなことをまだ社会を知らない新入社員に言っていいものかどうか。
雨=嫌なものではなく、雨=本当はワクワクするもの。
雨が降れば、美しい虹の彼方に行くことができる!
とでも説明したほうがいいのではないでしょうか。もっと言えば、
「本当の幸せは苦しみの中にしか存在しない」と私は確信しているのですが、
新入社員どころかその人事部長にも理解されないと思い、言いませんでした。
雨が嫌なものだと一体、誰が決めたのでしょうかね。
┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────
辛いことを乗り越えた者だけに明るい未来が訪れる。
この言葉で心が動くうちはまだOKですが、 「じゃあ、俺は今、辛いことをしてるんだ」と気づき始めるのが、
5月。
だから、五月病が発症するんでしょうかね。
どうしてわざわざそれが辛いと洗脳するのでしょうか。
どうせ洗脳するなら、それ自体は「本当はいいものなんだよ」と、 やったほうがずっと救われると私は思います。
度が過ぎると新興宗教になってしまいますが。
とにかく雨=悪。虹=善という図式は五月病の元凶です。
では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━