砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

曇り空がよく似合った生まれ故郷うだつの上がる美濃(岐阜県美濃市)

一昨日の思い立ちを励行した。車ではなく、長良川鉄道でゆっくりと向かった。

美濃市駅

この美濃市駅に降りるのは初めてだった。物理的に何もないある意味、とても貴重な駅だった。第三セクターの厳しさと予算と向上心の乏しさに深く頷いた。

美濃市広岡町

親父方の実家があった細く、小さな通りだが、今では他人の家が建っていた。

そして、歩いて卯建(うだつ)の上がる町並みへ行った。小坂酒造場の丸みを帯びた屋根と卯建は素晴らしく、背伸びをして魅入った。杉玉も印象的だった。

水の打たれた土間を通り、奥にある蔵に入るとそこはギャラリーになっていた。

和紙問屋の佇まいを堪能できる旧今井家住宅。江戸中期に建てられ、その後、明治初期に増築された歴史ある家屋だった。一体、築何年になるのだろうか。

中庭の水琴窟にそっと水を掛けてみた。心地良い音が鳴り響き、染み渡った。

ふと見上げれば晴れたり曇ったり小雨が降ったりで、空腹になった。まる伍の十割蕎麦を食べた。それから川湊灯台へ行き、美濃橋を7分の2まで渡った。

ふらっと古黒見堂に入った。店内には、レトロな雑貨が所狭しと並べてあった。煙突のような天窓は圧巻。その珈琲の味はと言えば、極めてノーマルだった。

旧名鉄美濃駅

町並みを後にした。その帰り道、随分前に廃線となった名鉄美濃駅があった。幹の風情と趣ある佇まいに38年前の芥見小学校の輪郭が綺麗に重なった。