6時に目覚まし時計をセットしたものの案の定、5時前に起きた。ホテルの部屋で3時間ほど仕事ができてしまった。これは決して褒められたことではない。乗り放題となる市電1日乗車券(600円)を買ったので運賃をまったく気にすることなく目の前の淡いグリーントレインに飛び乗った。
魚市場通で降りると金森赤レンガ倉庫群へと歩を進めた。
少しばかり寒かったが、冷たくはなかった。早朝のせいか人影はなかった。
テレビや映画でよく目にする八幡坂のそれに時間を忘れてしばし見蕩れた。
せっかくなので坂の頂上の函館西高校まで上り、そこからズームアップした。
最初はその気はなかったが、ダラダラと当てもなく歩いていたら近くまで来てしまったのでロープウェイに乗った。市電1日乗車券で10%OFFとなった。
右隣の酒臭い中年男性の声が動画に収まってしまい、筆舌に尽くし難いほど激しく苛立った。また、金華山ロープウェーのほうが遥かに趣があると思った。
一人で夜景を観に来る勇気はないので午前10時の眺望を密かに愉しんだ。
チャチャ登り。チャチャとはアイヌの言葉で「おじいさん」の意味らしい。
多くの雑誌やサイトの画像を見て気づいたが、この画像は表ではなく裏から撮ったものらしい。それもまた風情だが、次に訪れたときは正面から撮影したい。
現存する日本最古のコンクリート電柱なのだが、このマンションの住人たちはバシャバシャと撮られて満足に洗濯物も干せず、どう思っているのだろうか。
まだ11時10分だったが、歩き疲れたのであじさいでランチを取ることにした。食べ切れない自分に多くの意味で限界を思い知らせてくれたAランチだった。
再び赤レンガ倉庫界隈を亜熱帯地域に棲息する蟻の歩幅でゆっくりと歩いた。
はこだて明治館では、緻密なガラス細工を見ながら満腹中枢を癒し続けた。
胃の内容物を消化するためには物理的に歩き足らなかったので市電に乗って函館どつく前で降り、外国人墓地まで寒風吹きすさぶ中、15分ほど歩いた。
お次は逆方向の湯の川温泉駅で降りると足湯に浸かったが、足だけ浸かったところで温かくなるどころかかえって体の芯まで冷えて微熱が出そうになった。
足湯を2分で切り上げると再び市電に乗り、とりあえずJR函館駅へ向かった。
この駅の構内だけでも半日は遊べそうだった。函館ラスクが気に入った。
今回はまだJRに乗っていなかったので260円で行ける上磯へ向かった。
いい感じの駅舎だった。一応、北口と南口は存在した。
駅から2分ほど歩くと函館山が見える風景と出会った。近くに売り地があったが、とても住みたいとは思わなかった。だが、隣にはセブンイレブンがあった。
滞在は約20分ほど。次の電車を逃すと2時間待ちとなるので早めにホームで待ち構えていた。とっても風情はあったが、もうここで降りることはないだろう。