食卓で「はぁ・・・」と活字で書いたようなため息をつく次女がいた。どうやらテレビでドキュメンタリー番組を見たらしい。それは、あるシングルマザーの一日を追った内容でビンボーを油絵に描いたような悲惨なものだったとか。「スーパーでにんじんを買おうとしたら1円が足りなくて棚に戻したんだよ。なんだか切なくなるよね」と次女。「ほう、お前が5~6歳のときヨーカードーの餃子売り場で何回も試食するんで店員に叱られたんだよ。その人も試食すればよかったのにね」「そーいう問題?」「ハハハ、そのシングルマザーのようなビンボー人ならお隣の町内に現在進行形で腐るほどいるじゃん」「そうなの?」「いるいる~。どうせその番組は今の時代が不平等ってことが言いたいんだろうけどね、いつの時代にもビンボー人は必ずいるの。バブル全盛期でも今と同じくらいいたんだよ」「それはウソだ!」「いたいた。でもね、テレビや新聞なんかが報道しなかったから誰も気付かなかっただけなんだよ」「ふ~ん」「例えば、そのテレビ番組がスーパーのにんじんを買い占めるお金持ちの話だったら、舞子は『どうして私の冬のボーナスはこれっぽっちなの?はぁ・・・』と今の自分と比較してため息をつくんだ」「どっちにしても私はため息をつくんだね」「だね」。他人の現状なんてどーでもいい。自分の現在がすべてなの。で、それは自分の半径2キロ以内を見れば一目瞭然だし、それ以外は作られた虚構と思ってまず間違いない。※さすがに画像は孫であるちびっ子ギャングのリトルで舞子ちゃんではありませんがね大和田(爆)