思うに、木曽福島の観光価値は郡上八幡の37%。だからと言って悲観しないでほしい。大垣や羽島と比べれば178%だろう。真冬は-10℃となり真夏は30℃を超えるという地域全体が昭和末期のプレハブ小屋のような木曽福島を一人きり訪れたモーレツに孤独が似合う僕がいた。死ぬほど寒いと思ったが、軽く気を失う程度だった。失わんかったけど。
下の段にあっても観光名所の上の段地区だが、個人的には丸太のようにド太い鯉が悠々と泳いでいる郡上八幡の「いがわ小径」のほうがお気に入りだ。
これまた観光名所の崖屋造りの家並みだ。木曽川に張り出した光景が壮絶だけれど建築基準法や消防法との兼ね合いはどうなっているのだろうか?などと心配しているフリをしている僕だが、郡上八幡には吉田川に張り出した『新橋亭』がある。
ここは信州。となれば、やはり蕎麦を食いたい。そーいう定番の衝動に駆られた僕は『とちの屋』の暖簾をくぐった。でもね、ロケーションだったら郡上八幡の『そばの平甚』は最高さ。
5~6分半後、天ぷらそばが目の前に現れたとき「どんだけでかいにんじんを食わせるんじゃ!」と心の中で叫んだ僕だった。それにピーマンもサツマイモもムダにでかいの。やはり僕は蕎麦より鰻にしておくべきだったよ。鰻と言えば、郡上八幡の『魚寅』は素晴らしい。
ハードなボイルダーは食後にルイボスティーか熱い珈琲を飲まなければタフな男にはなれないと信じているかどうかは別にして観光案内所で教えてもらった『トマト』という喫茶店で熱い珈琲とカチンカチンに凍ったチーズケーキを食べた。個人的には郡上八幡の『清水珈琲』のレトロなグッズで埋め尽くされた内装に興味津津だ。
あまりに時間が余ったのでもう一度、上の段地区へ足を運んだ。すると大通寺に続く小路を発掘した僕だった。おぉ!ここは郡上八幡の「やなか水のこみち」と双璧だな。やるじゃないか木曽福島君。
そんなこんなで木曽福島界隈を散策しまくったった。そして、その帰り『梅園菓子舗』のどら焼きを買うためだけにJR多治見駅で途中下車した僕だった。案の定、太多線の車内で我慢できずにむさぼり食ってしまった僕がいた。以上、適度な自然に囲まれた人情味あふれる郡上八幡レポートでした。
■とちの屋の僕のレビューとマップ(詳細)はこちら