IT企業で働くM君が「夢はシリコンバレーだね」と言った。弘道君的にはシリコンと言えば浴槽の目地を埋めるボンドなのだが、どうやらそのシリコンではないらしい。この世の中、実にいろいろなシリコンがあるものだ。だから、そんなことはどーでもいいんです。僕が最初の会社を辞めたのは、ついていけないと確信したから。大卒127人の同期入社のうち文系はたったの3人ぽっちだった。これを文学的に例えるとすれば、ソニー生命のトップセールス1000人の中で働くようなものだ。要は、無理。ポイントは「できるだけ職場の環境はバカがいい」。例えば、ちょっぴり頭のいい奴が岐阜の小っちぇ会社に入社したら半年後には課長代理だよ。仕事なんか満足にできなくてもOKだ。岐阜市ではパソコンさえフツーに使えれば「コイツはデキる奴だ」と周りが勝手に錯覚するんだよ。シリコンバレーやハリウッドなんかに行った日には間違いなくゴミ扱いだ。なぜにわざわざ超一流の人間たちの中で働こうとするのかがこの僕には理解できない。すっげぇ大変じゃん。しかしながら、賢い奴が小っちぇ会社に入って成功した際に「私には能力がある」と勘違いすると最後は間違いなく足をすくわれる。うん、すくわれるのは足元じゃなくて足だからね。運良く周りのレベルが自分より低かっただけということを忘れてはいけない。というような原色の妄想を鉄板焼きそばを食べながら一人きり描いていた僕。メールの調子が悪くて設定作業に追われているため妄想だけが楽しみな僕。