砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

元祖 堅ボーロ本舗の堅ボーロと悠久の歴史を噛みしめる

イタリア語で「美味しい」を意味する言葉は「ボーノ」。ポルトガル語で「小さな球状の焼き菓子」を意味する言葉は「ボーロ」。ココ、姑息な引っ掛け問題として次の中間テストに出るかも知れないよ。出ねぇよ。2日前に滋賀県は米原市界隈を散策した僕は、当初の計画どおり「ど、どの足?こ、この足?」その足で長浜も訪れた。その際に計画どおり遭遇した明治27年創業の『元祖 堅ボーロ本舗』に左足から入った。いい。川瀬巴水の風景画のような佇まいだ。仁王像の如く立っている「宮内庁御用達」と「陸軍御用達」の看板が悪霊退散のお守りのようだった。

元祖 堅ボーロ本舗

店内に「ど、どの足?そ、その足?」この足を踏み入れると整然と並ぶレトロチックな商品に目が釘付けになった。そのとき奥から清楚なご婦人が現れたので店舗や商品の歴史について色々と教えてもらった。特に看板商品である「堅ボーロ」は日清戦争・日露戦争・太平洋戦争において前線の兵士への慰問袋の中に入れられていたとか。そして、日露戦争のときには「堅ボーロ」が「堅亡露」と呼ばれていたという話には「なるほど」と深くうなずいた僕だった。ほら、ご覧。よく見ると今は亡き若い頃の安倍ちゃんが長浜を訪れた際に来店した貴重な写真もあるんだよ。

元祖 堅ボーロ本舗

「宮内庁御用達」で「陸軍御用達」で「堅亡露」で「安倍ちゃん」という四拍子揃った典型的な保守の権化のような精神的に固い絆の物理的に堅い焼き菓子だろう。この際、素晴らしい店舗も含めて長浜市の指定文化財にしたらどうなんだ。ところで「陸軍御用達」ならば今、巷で話題のドラマ『VIVANT』に登場する「別班」も食ったのだろうか?ハハハ、そんなもん知らんがな。

元祖 堅ボーロ本舗

僕は「堅ボーロ」ときんつばのような「茶々の友」を買った。後者は昨日、食っちまったので今日は前者を地味に地道にいただいた。この形状は長浜城の穴太(あのう)積みの石垣をイメージしたとか。小麦粉の生地を二度焼きしてあるためモーレツに硬い。「まだ歯は丈夫だ」と自分に言い聞かせるように3個を口の中に放り込んだ。うん、ショウガが効いて胃腸にも良さそうだ。お茶請けになることはもとより悠久の歴史に思いを馳せながら奥歯で噛みしめるとさらにいい。

堅ボーロ

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