砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0049滴:節目は10年単位で考える

中学生のとき、水谷ミミの“もうすぐ30”という曲を聴きながら、自分 が30歳になるなんて、考えられないと思っていたら、もう40歳@東海 地区限定のネタで、心から申し訳ないと思っている杉山です。

記念すべき40歳の巻頭文に、水谷ミミはどうかと思ったのですが、古い アルバムを開いてみたら、なんとなく思い出しました。まったくご存じの ない方、カテゴリとしては、兵頭ゆきと同じ部類です。

水谷ミミも兵頭ゆきも、どうでもいいんです。私って奴は、自分の誕生日 に古いアルバムを開いて涙ぐむ、そんなセンチな野郎だってことが、分か って欲しかった、ただそれだけなんです。

さぁ、そんな浜省の“片想い”でも思う存分泣けるってハナシはバシッとやめて、 今日もサラ~ッとお読みください。

■何度も言うように、私は今日で、40歳を迎えました。

介護保険料の引き落しが、いよいよスタートしてしまいます。 そんな私は、人生の節目を10年単位で、区切ります。

■20代は、大学を卒業し、大きな企業へ入ったものの馴染めず、 本当にこれで良いのかと、毎日、独身寮でソバガラ枕を濡らしてました。

表紙がマリー・ローランサンの、当時の日記には、 昔の友人に会いたいとか、文化屋食堂のオムライスが食べたいとか 今となっては、こっ恥ずかしいことばかりが、書かれています。

■今日現在、昔の友人になんかに会いたいとも思わないし、 できれば、横浜中華街の月餅を、むさぼり食いたいと思うだけです。

そう、孤独は、感覚を麻痺させるものです。

■30代は、この道で行こうという仕事にもめぐり合い、 ただひたすら驀進していました。

そこそこ社会的にも認められたような気にもなり、ちょっと小生意気に なったときもありましたが、 自分の立ち位置は、シッカリと確保しました。

■仕事だけでなく、すべてをひっくるめた、人生として、 “20代は、裏”“30代は、表”だったと感じています。

裏というのは、多くの悩みと葛藤の時代ということです。 表というのは、少しでも先が見えた時代ということです。

でも、単に裏が悪く、表が素晴らしいという訳ではありません。

■40代は、裏と表が一つになって、流れて行くと思っています。

30代の勢いのまま突っ走るなんて、決して思わないし、 そんな味気のない人生を送りたいとも、思いません。

そして、裏と表が一つになると言っても、それは決して、 交わりません。裏と表が、同じ方向に、同じように流れるだけです。

■だから、20代と同じように葛藤もするし、30代のように、 機を見て驀進もします。

要は、40代は白か黒かではなくグレイだ、ってことです。

■世の中、白か黒か、丁か半かで、割り切れることは、あり得ません。

ほとんどの場合、両方を併せ持ちながらも、 決して答えを出さないんです。だから、世の中上手く行くんです。

■そして40代の10年間だけで、50代からの人生が決まります。

20代、30代の実績や経験は、あくまでも40代の礎でしかなく、 これからの10年間を、どのように過ごしたかという結果だけで、 それからの人生が決まると確信しています。

■だから、裏と表を、思う存分に楽しむことです。

酸いも甘いもかみ分けりゃ、毎日、楽しく過ごせます。

■私が、中学生の時に母親に言われた、 「朝、目が覚めたら感謝すること。寝ても、目が覚める保証はない」 って言葉が、私の人生観です。

要は、自分の命さえ自分ではなんともならない、だから 与えられた命は大切に、ましてや自分で絶つなんて以ての外、ってことです。

■良い人生とか、悪い人生とか、世間では言いますが、 そもそも人生には、何の尺度もモノサシもないのだから、 人生に、良いも悪いも、ない。

ただ、それまで生きたという“実績”が残るだけです。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

ロシアの学校占拠事件で、ただ一人 武装グループに、「あなた達は間違っている」と言って その場で射殺された少年がいた。

そのニュースをテレビで観ていたとき、 その番組は、ユダヤのことわざで、締めくくった。

“何も打つ手がないとき、 たった一つ、打つ手がある。

それは、勇気を持つことである”

勇気なんて四六時中、 持ってるものでも、持てるものでもない。 絶えず持っているとすれば、それは虚勢。

勇気を持つということは、 ここ一番の、最後の手段だと思います。

ほんの小さな勇気でも、たとえ1センチ四方の勇気でも 最後に、自分には、それを打つ自信がある、 そんな40代にしたい、そう思いました。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━