砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0378滴:北西に進路を取れ

すでに名曲『ケッタじゃなくてチャリ』の作詞&作曲はリチャード3世 @こんなリックのテーマ曲を作ったけどCDにする予定もない杉山です。

Oh!チャリ、チャリチャリチャリチャリチャ~リ ♪ Oh!チャド、チャドチャドチャドチャドチャ~ド  ♪

さだめなのさ、リチャ~ド3世ぃ

しゃしゃしゃしゃばだばでぃ~だ、しゃばしゃば ♪ リックはナスが嫌い、Oh! It'a miracul! oh! no no no.

ちなみに、ナオミの曲はヘドバとダビデの『ナオミの夢』を援用します。

さぁ、そんなそう、腐っても…→ビジネス系ってハナシはバシッとやめて、 今日もサラ~ッとお読みください。

■私はそこを通り抜けて“リチャード3世@社長専属コンサルタント”と

細く書きつけた自分専用のオフィスの鍵を開けた。ここは仕事場であり、 傷ついた心と体を休める休息の場であり、熱い珈琲を愉しむ場所なんだ。

■で、パブリック・ガーデンから2ブロック離れたマーボロ・ストリート。

世間では祈年町2丁目と呼んでいる場所だ。そして、チャイムが鳴った。 クロネコだった。しかもクールだった。とどのつまりは、要冷蔵だった。

■冷え切った大あんまきを窒息するくらい口に詰め込みながら、2日前に

ナオミが私に言った「あなたって高利貸しみたいに薄情ね」って言葉を アタマの中で繰り返していた。これっていい意味なのだろうか、ってね。

■本当に窒息しかけた。

どうやら食べるか考えるかの作業を、同時に進行できない体質のようだ。 そして、ターン・テーブルをビリー・ホリディに変えた。でも、CDだ。

■2度目のチャイムが鳴った。それは、昨日から数えても2度目だった。

身長は私よりも2センチ程高い、取立て屋のヨッシーだった。そして、 全身を黄色いスーツで纏っていた。そう、彼は風水占いが趣味だった。

■冷え切った大あんまきを熱い珈琲で流し込んだヨッシーが、

ウエッジウッドのソーサーを親指でコツンと小突きながら、 小さくそして横顔で「今日の大吉方は、北西だ」と言った。

■O・ヘンリの2ページが読める程の時間が経ったとき、

ヨッシーが「なぜその理由を聞かないんだ」と言った。 そして私が言った。「私はそういう質問はしないんだ」

■ビリー・ホリディから、ジョン・コルトレーンの1枚にソッと変えた。

私が言った。「じゃあ、カフカを好んで読む女の扱いと 高級クラブのツケの取り立てでは、どっちが厄介なんだ?」

■「カフカだ」とヨッシーが短く答えた。そして、北西の出窓を眺めて、

「安い飲み屋だったら別だがな」と続けた。ネクタイに左手をあてて、 「依頼人はすべて弁護士だ。手形ではなく、すべてキャッシュなんだ」

■クリネックスを2枚抜き取り、ブランパンの手巻き時計を拭きながら、

「これは 300万円だ。18件の仕事の依頼で買ったんだ。外科医者でも、 俺のような取立て屋がはめても、ブランパンは正確に時を刻むんだ」

■こんな私は、ネットで買った29800円のエルジンを右手で覆った。

「世の中に天職なんてないのさ。必要がなければ、消えるだけなんだ。 取立て屋稼業に誇りなど持っちゃいないが、埃とも思っちゃいない」

■透明パックに2個の大あんまきを詰めながら、ヨッシーがそう言った。

そう、やりたいことだけでこの先、食っていける訳じゃない。でもね、 やりたくないことでも続けてさえいればね、きっと好きになるはずさ。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

そろそろ別のキャラクターを増やさないと苦しくなってきました。 ルパン三世でいうところの石川五右衛門のキャラが確実にほしい。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━