私の古くからの知り合いに、どんな悩みにでも答える社長が1人いる。
それが事業に関することであろうと、 恋愛や犯罪に関することであろうと。
とにかくすべてに於いて気味が悪いほど明確に答える。
さらには商売のヒントとなる発想もかなりユニークだ。
的を射たアドバイスや、 どこから湧いてくるか不思議に思う潤沢なアイディア。
さぞかし相談を持ちかける奴の悩みのパターンは同じで、 発想方法も数パターンほどあらかじめ持っているのだと最初は思った。
ところがそうではないらしく、頭の中は いつもまっさらの状態だとその社長は言った。
その証拠に、私が、明らかに今までにだれも相談したことのないような とんでもない悩みを作って訊ねてみたところ3秒で即答した。
しかも、こっちが思ってもみなかった意表を突いた答えだった。
要は、他人からの相談に答えられる人は、 それが自分の得意な分野であろうがあるまいが答えられる。
また、ユニークなアイディアを出せる人は、 それが自分の専門分野であろうがあるまいが絶えず出せる。
言い換えれば、相談に答えられない奴は、 それが自分の得意な分野であっても答えられないし、
それが自分の専門分野であっても、 いくら考えてもアイディアを出せない奴は出せない。
だから、その道のスペシャリストに訊いたところで、 そこらの書店に並ぶ薄っぺらな本の通りにしか答えられない奴も多い。
1つの悩みに的確に答えられる人は、どんな相談にも対処できて、 ユニークなアイディアを出せる人は、どの分野の仕事に於いても、
絶えずユニークな発想を提供し続けるものだと思った。
「○○が専門なので、その相談には答えられません」 「○○を専攻していたので、こっち系のアイディアには乏しいです」
こんなことを言う奴らには、奴らの専門分野の範疇のことを訊いたところで まともな答えは返ってこない。書店で立ち読みをした方がまだマシだと思う。
デキる人は、分野を問わずデキる。 ダメな奴は、分野を問わずダメだ。
相談する相手が、アイディアを訊く人が間違っていないか、 今一度、確認をする必要があると思う。
┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────
その道の専門家ほどあてにならないものはない。
それしか答えられないということは、それすらも 誰かから仕入れた情報に過ぎないということになる。
アドバイスやアイディアを求められてまともに答えられる人は、 商売についてだろうが、恋愛についてだろうが、所得税法についてだろうが
答えられる。
その人の意見(私見)が聞きたいのであって、 書店に並ぶ本の1ページを読みたい訳ではない。
ところが、世の中に腐るほどはびこるコンサルタントで、 すべてに対応しているまともな奴は1人もいない。
ほとんど「専門じゃない、管轄外だから」で逃げている。
神田昌典が書いた1500円の本の内容を、 毎月30万円で売っているような連中ばかりだ。
まず間違いなく、多くの人は相談する相手が間違っている。
では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━