砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

悔いのない人生なんて100%あり得ない

以前、91歳で亡くなったそこそこ大きい会社の創業者と話したことがある。それは彼が86歳の頃だったが、僕には彼が地位も名誉もお金も手に入れて優秀な後継者にも恵まれた何不自由ない人生を送っているかのように見えた。しかし彼曰く「富士山には登ったが、まだエベレストには登っていない」と。だったら、マッターホルンモンブランには登ったのかよ!だから、そんなツッコミは冗談でもできないチキン野郎の僕だった。要は、国内ではかなりのポジションにまで登り詰めたが海外進出は一度も経験していないし、まだまだ上には上がいると言いたかったのだろう。もういいじゃん、さっきは言わなかったけど山本陽子似の愛人も手に入れたことだしさ。だが、彼は真剣に焦っていた。そのとき僕は、たとえ90歳でも20歳でも「死んだら必ずやり残したことはあり、そのやり残したことの重さ(価値)はまったく同じ」と思った。そもそも「悔いのない人生にしよう」とムダに頑張ること自体が滑稽で間違いだと僕は思う。