「これ美味しいよ」と世界のアツローがこれ見よがし＆恩着せがましくこげ茶色のビニール袋を僕に手渡した。どうもありがとう。実に見事なダークブラウンっぷりだぜ。彼には数々の問題はあるものの従うべき人を見る目だけはある。「ねぇ、従うべき人っていったい誰？」「オレオレ、オレだよオレ」。その翌日の朝、ワクワクしながら袋から取り出してみれば４つもあるじゃん。長女は結婚して家を出ちゃったから我が家は３人家族だお。まあいい。これが２つだったら往復ビンタ１００発＆肛門キック必至のところだが、計算ができないことが功を奏して命拾いをした世界のアツロー。ところがだ、いざ食べようとフォークでサクッとカットしたらアップルパイとカステラ生地が入ってんじゃん。おいおい、モンブランは入ってねぇのかよ。こっちはとっくに栗の口になってるんだよ。「ねぇ、栗の口ってどんな口？」「こんな口」。誤解しないでほしい。店名にモンブランを冠したこの店が悪いわけではない。僕に手渡す際に懇切丁寧な説明を怠った世界のアツローの致命的な告知義務違反が諸悪の根源なんだ。では、熱い珈琲でいただきます。
