砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

君と僕がつながる寸前の5人目でバシッと断ち切ったる

6月1日の午後1時の太陽はこの僕の怒りの導火線に火を点けかけた。日差しがムダに暑いんだよ。半袖で歩いていたらジリジリと音を立てるわけがないけど日焼けしたがね。そのとき2本のレールが僕の目の前に現れた。僕は泣きそうになった。足元のレールをコツンと叩けば、その振動は物理的に東京まで届くんだよ。そう思うと不思議でとても切なくてすごくうれしくて、そしてなぜか懐かしく思えてきて泣きそうになった。だが、東京へと続くのはJR東海道本線であり、目の前のレールは見事にJR高山本線だ。これが行き着く先は上から目線の飛騨高山経由で富山だった。僕は泣きそうになった。そして僕はシナリオどおり途方に暮れかけた。はい、旅情あふれる巻頭文はここまでです。ハハハ、せっかくだから「鉄道=つながる」という強引な流れで進めよう。そんな君たちでも「六次の隔たり(ろくじのへだたり)」をご存知だろうか。いや、知るはずもなかろう。これは「自分の知り合いを6人ほど順に介せば地球上の誰とでも知り合いになれる」という実に摩訶不思議な仕組みのことさ。つまり6人の友達をたどればトランプ大統領ともつながるわけだ。別に会いたくもないし、できれば確実に会いたくもないけど。そう、この僕が今では反吐が出るほど大嫌いで、スタートした当初でも「生理的に気持ち悪い胡散臭い奴ばっかだな」と鳥肌がサメ肌に進化するくらい大嫌いだったFBを始めた理由のひとつに大好きなジョーン・フォンテインとつながりたいという切なる願望があった。だが、ハリウッド女優の彼女は5年前の12月に96歳の生涯を終えていた。それはこの僕がFBを始めた年だった。4日前にふと思ったのだが、彼女はFBのアカウントを取得していたのだろうか。まあいい。おぉ、愛しのジョーン。映画『断崖』と『レベッカ』の君と出会って大好きになった僕。明日は『旅愁』の君を堪能しよう。嫌でも物理的につながってしまう昨今に思いを馳せる僕がいた。

JR高山本線