砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

I'm Kindler, not King Ghidorah.

「手袋を逆から読んでみて」「ん?ろ・く、ぶ・て?ろくぶて?」「はい、じゃあご要望どおり6回叩くね」という双務契約に基づく違法行為がまかり通っていた昭和が恋しい巻頭文はここまでです。言っちゃあ何だけど僕のような時代の先端を行くエポックメーキンガーは本をスマホで読むんだよ。「ぷ、今頃?」「岐阜市全域は昨年の11月末にネット環境が整備されました」。んなこたあない。ほら、ご覧。アマゾンのKindleだよ。本の背表紙はその存在自体が勇気を与えてくれる。ところが、ページをめくるという所作に質感のない電子書籍ではそれを感じることすらできない。そんなことを偉そうに言っていた僕を全力で許してほしい。とは言え、これは壮大な実験なんだよ。リアルな本とバーチャルなそれとの読後感の相違を知りたかったんだ。それゆえに最初の一冊に選ぶと今まさに、熟読している小説がキング・オブ・定番である村上春樹の『ノルウェイの森』さ。ハハハ、平成から時代をまたいだ時間差攻撃で新鮮だぜ。モノを持たない主義の僕にはいいですな。実際には所有権は発生するものの物理的にモノが増えないというのがいい。さらに紙一枚でも荷物を軽くして一人旅に出たい弘道には最適っぽい。昭和にヒットした曲に村田和人の『一本の音楽』があるが、令和の今は「一本の文学」っぽい感じ。では、そろそろ今日の〆に入ろう。次は『遠いアメリカ』を買います。

ノルウェイの森