ちあきなおみの『喝采』ではないが、あれは3年前のこと「上野動物園は人ごみで窒息するんでアドベンチャーワールドまで行って死ぬほどパンダを見るか」とよせばいいのにポロッと言ったのが命取りとなった僕がいた。今回の教訓:その気がないのなら絶対に口に出してはいけない。ってことで、ちびっ子ギャングを中心に総勢7名で和歌山県は白浜へと向かった僕たちだった。レンタカーのアルファードに乗って懲役2泊3日は始まった。まずは紀ノ川サービスエリア(下り線)内にある『紀州てまり』で1230円の「鶏天ぷらの油淋鶏定食」で腹ごしらえをした。
どうでもいいけど総勢7名だからどこで何を食っても1回の食事につき平気で1万円を超えるのよね。確実につらい懲役2泊3日。でも、負けない。義理の息子の運転に身を委ねながらたどり着いたのは核シェルターのような半球形の建造物が整然と並ぶ『とれとれヴィレッジ』だった。
超シンプルな部屋だけれどバスタブもあるしTOTOではないとは言え、温水洗浄式のトイレもあるしエアコンもちゃんと動くしここに永住するわけではないので間違いなく御の字でしょう。
せっかくなので雰囲気のいいカフェでお茶でもしようということになった。たまたま入ったのが海が見えるテラス席がステキな『福菱 Kagerou Café』だった。ほう、どうやら「かげろう」という名前の紀州銘菓の本店のようだった。お口の中に入れた瞬間、優しい甘さのクリームと共に消えていく食感が、まるで浜辺に漂う陽炎(かげろう)のように穿かないいや、吐かないいや、はかないイメージからこの名が付けられたそうな。さぁ、僕はどれをチョイスしたでしょうか?
しかしながら僕はと言えば、アリジゴクの成虫であるウスバカゲロウしか頭に浮かばなかった。発想と思考が徹底的&致命的に偏っていてどうもすびばせん。そんなこんなで僕がチョイスした抹茶バージョンの生かげろうを右手の親指と人差し指で丁寧に口へ運ぶと熱い珈琲で味わった。
「ねぇ、お腹空いた。晩ご飯は何を食べるの?」と騒ぎ出す恐るべき女系家族たち。真っ昼間に食ったしカフェでお茶したじゃん。一日一食半主義者である僕の五臓六腑はもう限界だ。ゆえに「地元のスーパーで買い物をするのも楽しいよ♪和歌山県のバローみたいなもんだよ♪」と説き伏せて『オークワ 白浜堅田店』へ行った。とりあえず懲役2泊3日の初日は無難に終わった♪
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