砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第0937滴:敏感なS子と鈍感なA子

メールに書かれた相手の名前を確認しては姓と名の間に空白を発見すると、 その相手のすべてが嫌になる@どうして空白を作るのか不思議な杉山です。

ちなみに、名前は姓と名が合体してこそ意味を成すので空白は要りません。

ですから、苗字だけの人とか「服部 梅吉」とか書いてあるのはNGです。

さぁ、そんなジャパンネット銀行は1字分の空白を作らなきゃダメなんだ ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。

■法務局に登記関係の書類を提出する司法書士という人々がいます。

もっと他にやるべき業務もあるのですが、ほとんど登記だけです。 要は、住所と名前を打ち込んだ白い用紙を法務局に出すだけです。

■それだけで1件につき2~3万円の報酬をいただいています。

ま、それがいいのか悪いのかではなくて、そんなお仕事です。 私の知り合いに2人の司法書士がいます。2人とも女性です。

■その2人はまったく違うタイプです。

S子は有名大学の法学部を卒業して、 大手の不動産会社に勤めていました。

■そのときに司法書士になろうと思って専門学校に通いました。

S子はタクシーで通いました。時間を買うという考えでした。 自分だけで解ける科目の授業には一切、出席しませんでした。

■合格率が数%という超難関の国家試験に一発で受かりました。

一方、A子は商業高校を卒業すると工務店で働いていました。 土日は朝から晩まで専門学校で授業を受けて5年で合格です。

■頭がキレるS子は法務局の職員が怯えるほどの理論派です。

赤いクーペから長い髪をかき上げながら颯爽と登場します。 一方、A子といえば分からないことがあると必ず泣きます。

■先日も法務局の職員に少し問いただされると、

俯きながら「だって…」と言って泣きました。 すると法務局の職員は黙って許してくれます。

■まったく両極端のお2人ですが今、繁盛しているのはA子の方です。

S子は司法書士法の改正で可能となった簡易裁判に目を向けました。 今までの登記業務をできる限り減らして簡易訴訟に力を注ぎました。

■きっと法廷が自分のステージなんだと派手目のS子は思ったんです。

するとあっと言う間に事務所の売上げが激減して職員も去りました。 プライドの高いS子はこのままでは引き下がれないと思っています。

■一方、A子といえば今まで通り白い用紙を法務局に出して泣いています。

先日、A子は「法廷で弁護士に勝てる訳ないじゃん」と私に言いました。 きっと法務局で泣くのは演技だろうと私は怯えながらそう確信しました。

■たしかに法改正などに敏感に反応して時流に乗るのは大切なことですが、

それでは自分の個性は絶対に現れません。早いもの勝ちではありません。 A子は「できるだけ目の前のことには鈍感になるの」と言い放ちました。

┃編┃集┃後┃記┃───────────────────

私は新しいもん好きの人とはあまり気が合いません。 どっちかというと新しいものは敬遠するタイプです。

新しいものがちょっと古くなったあたりから手を出す人間です。 だから、周りからは時流に乗り遅れていると思われがちですが、

早いもん勝ちが成立するのはマルチ商法だけだと思っています。 だから、きっと周りの人々はマルチ商法がお好きなんでしょう。

A子は決して鈍感ではありません。

鈍感になろうとするくらいだから、 時流を把握できるほどに敏感です。

だからこそ、鈍感たるべきだと思っているはずです。 一方のS子は自分が敏感だと自負しているはずです。

なんにでも合理的&効率的な発想で世の中を渡ってきました。 だから、逸早く法改正に反応して簡易訴訟に目を向けました。

しかし、常識で考えればA子の言うように、 司法書士が弁護士に勝てる訳がありません。

奴らは裁判に勝つことを義務付けられたサイボーグです。 でも、司法書士は白い用紙を法務局に出すだけなんです。

新しいものになんでも手を出す人は個性がない鈍感です。 個性がある敏感な人ならきっと簡単には手を出しません。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━