砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1790滴:お山に登るか、知恵を使うか

私の仕事もそうですが、社員も雇わず、仕入れも発生しないような仕事は、 インチキだと思っています。

が、ローリスクで生きていくためには、それが正解だとも確信しています。

社会のために1人でも多く雇用することは大変素晴らしいことですが、 別に私は社会のために働いてはいません。自分が食っていくためです。

まずは、社会のお世話にならないように、 世の中の厄介者にならないようにすることが肝心だと思って働いています。

人を雇ったり、多くの商品を仕入れたりするのは、 その後にやりたければやればいいことです。

随分と前に「社長」と「経営者」はまったく違うと言いました。

100社あれば、最低でも100人の社長はいますが、 その中に経営者はせいぜい1~2人程度しかいないと。

売上げを作る、人事がまともにできる、数字と先を読み切れる。 それらの中で1つでも満足にできないと経営者にはなれません。

でも、もっと簡単にその違いを解説しましょう。

あなたはアロワナやグッピーが大好きで、熱帯魚ショップを営んでいます。

広告宣伝などのPR戦略も上手く、店員教育も完璧で商売のセンスもある。 その結果、全国からマニアが集まるような熱帯魚ショップに成長しました。

豪邸に住み、高級車を乗り回し、毎月のように海外旅行を楽しむ。 さぁ、これが立派な経営者でしょうか。

話の流れ上、そうでないことはとっくにお分かりだと思います。

幼い頃から熱帯魚が大好きだったから熱帯魚ショップを創めて、 それがたまたま当たっただけですよね。

要は、角のタバコ屋で買った宝くじが当たったようなものです。

それでは、社長。

熱帯魚などまったく好きでも何でもないどころか、下手をすると 魚が泳ぐその姿を見て「塩焼きにすると美味そうだ」と思う人が、

熱帯魚ショップを営んで成功したら、紛れもなく立派な経営者です。

つまり、それしかできない人は社長で、 それじゃなくてもできる人は経営者です。

いくら年収が5000万円でも、仕入れが発生しない保険代理店だったから 成功したというのは、経営者ではなく寅さんの映画に登場するタコ社長です。

身の程を知りなさい。

本当の経営者ならば、熱帯魚店でも印刷会社でもホストクラブでも どんな業種でも普通にやってのけるはずです。

また、その仕事の中身自体などにまったく興味の欠片もなく、 お金を生むための1つのツールに過ぎないと思っているはずです。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

もっと簡単に言えば、

社長は会社が好き。経営者は経営が好き。

会社=お山の大将 経営=知恵を使う

ということです。

だから、右を見ても左を見てもほとんど社長しかいませんねぇ。

きっと本田宗一郎は、車やバイクなどの機械関係の仕事しか まともにできなかったんじゃないかと思いますが、

松下幸之助は、電球や白物家電に限らず、水商売だろうが何だろうが ド派手に成功させたんじゃないかと勝手に想像します。

まぁ、2人に会ったことがないからよく分かりませんが。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━