砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1954滴:自ら不幸を好む社長たち

これは実際に存在する社長をモチーフに書いたノンフィクションです。

しかしながら、実名を挙げると確実に私が恨まれるだけなので、 主人公をそこらの主婦に置き換えてみました。

2012年5月。

愛新覚羅溥儀子は、名鉄岐阜駅前にあるLOFTで偶然見つけた よく切れるハサミを買った。

「わぁ~、こんなハサミが欲しかったの♪妹の溥傑子にも教えなきゃ」

それはとてもよく切れるハサミで500円だった。

溥儀子はそのハサミがよほど気に入ったのだろう。来る日も来る日も まったく嬉しそうにそのハサミで中日新聞の社説欄を切り抜いていた。

一週間後、甘い経営姿勢で倒れ掛かっている名古屋ボストン美術館へ アーノルド・スカージのドレスを見に行った。

「わぁ~、こんなドレスが着てみたかったの♪でも、デブだから無理ね」

溥儀子は凹んだ。

その後、JRタカシマヤ13階の恵亭で鹿児島黒豚ロースかつを食べた。 キャベツのおかわりは自由なのでキャベツだけでも2リットルは食べた。

そして、さらにデブになった。

溥儀子は凸んだ。

「ちょっとハンズでも見に行こうかしら。私ってハンズ派だから。うふッ」

溥儀子はエスカレーターの左側に並び、東急ハンズの6階へ降り立った。

すると、一週間前にLOFTで買ったハサミが350円で売られていた。

「な、なにッ!これは一体どういうことなのよぉう!」

溥儀子は人目もはばからず乱れに乱れた。

その後、あれだけ大好きだったハサミ自体を嫌いになってしまった。

今では中日新聞の社説欄を切り抜く気力さえも失った。

という社長の実話です。

LOFTや東急ハンズやハサミやアーノルド・スカージのドレスを あなたの周りのビジネスシーンに置き換えてみてください。

そのときハサミが欲しかったのだから、それで満足すべきだし、 往復1040円かけて金山まで行ったのだから、高額のハサミになります。

でも、それ自体の価格しか頭で判断できない社長は結構多い。

もっと肝心なことは、ハサミを欲しいと思って手にしたときから今日まで 満足した気持ちを数値に換算すれば、数万円以上の価値があるということ。

目の前の値札だけに囚われている間抜けな社長に明日はないですよねぇ。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

今朝、ミスタードーナツのエビグラタンパイを食べました。 いつもの値引きセール中で120円だったので。

以上、報告まで。

最近、根気というかヤル気が少しずつなくなっているので 自己分析をしたら、もともと根気もヤル気もない男でした。

以上、連絡まで。

では、また次回、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━