砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

日本で生まれ育っただけで勝ったも同然

六法全書をめくっていた午後3時。ふと民法の相続編に差し掛かったときに父親が死んだ当時のことを思い出した。ある人物が「お金を貸してほしい」と言ってきた。私に相続財産が舞い込んでくると思ったからだ。ゴメンね、僕って長男だけど相続放棄させられちゃったの。でも、これでいいのさ。そのとき莫大な財産が僕に入ったら、今頃マチュピチュに別荘を建てて年中無休で高山病で苦しんでいることだろう。それに、こうして自堕落な君たちとも遊んでいられないしね。僕と知り合えて本当によかったね。ここまでで私が言いたかったことは、「私は六法全書を読める」ということだ。そいつは「貧乏、貧乏」と繰り返していたが、本当の貧乏人は自分のことを貧乏と言う気力も唾液もない。3年前に別の男が「お金がないから3万円貸してくれない?」と携帯電話から掛けてきた。せめて公衆電話を使えよな。今までに数十件の破産処理に携わったが、今でも全員が車を所有している。日本で生まれ育っただけで人生、勝ったも同然。そして、2日目のカレーは重要文化財級に絶品だ。