オレンジ色の夕陽に一つ溜息を吐きながら冷めたロイヤルミルクティーで、 ラーマを塗った熱いトーストを押し流した@ダライラマがとってもお好き…
ちなみに、好んで書いた訳じゃなくて今日の【砂金の人々】のパクリです。
ですから、解説をしたくはないですがラーマとダライラマを掛けたんです。
さぁ、そんなこんな冗談みたいな巻頭文を書くだけでも25分も費やした ってハナシはバシッとやめて、今日もサラ~ッとお読みください。
■そのとき私は千葉県の片隅にある鎌ヶ谷市にいました。
なにもない。本当に周囲にはなにもない千葉県でした。 岐阜県で言えば、関市のような閑散とした街並みです。
■私は駅から歩いて5分のマンションの一室に入りました。
竹内圭子。45歳。今回の【砂金の人々】の取材先です。 すると彼女は私に向かって「手を洗って」と言いました。
■まるで私がなにかの菌を持っているかのような口ぶりでした。
洗面所で丁寧に手を洗っている私の姿を確認すると背後から、 低い声で「そこの石鹸を使ってね」とさらに念を押しました。
■片道3時間半もの時間を掛けてやって来た私は疲れました。
しかし、彼女が私にそうさせた理由がすぐに分かりました。 だから、すぐ隣の部屋にあるグランドピアノのためでした。
■そう、彼女は自宅でピアノを教えているんです。
4歳から習い始めて今もピアノに触れています。 なにがあっても毎日欠かさず練習をしています。
■彼女は大きなグランドピアノの前に座ると私に向かって言いました。
「1日さぼると自分が気づくしね、3日さぼると家族が気づくのよ。 1週間もさぼるとね、おそらく杉山さんでも気づくと思いますよ」
■そして、私は「杉山さんでも」の“でも”が気になりました。
すると彼女は「技術は衰えるからこそ素晴らしいと思います。 累積するような技術に価値などありませんよ」と言いました。
■彼女は今、なにがあっても完全日刊でメルマガを発行しています。
毎日書き続けることによってしか得られないものがあるからです。 きっとノウハウは蓄積されても技術は磨き続けるしかありません。
■そして彼女は「自分が持っているものしか磨けません」と言うと、
「私の中にある音楽と文字だけしかきっと磨くことはできません。 でも、それさえ磨けば多くの人の支えになれます」と続けました。
┃編┃集┃後┃記┃───────────────────
今回の【砂金の人々】では、私の美しいピアノの調べが流れます。
よく「杉山さんの新聞を購読したらどうなるんでしょうか?」と、 とっても賢明なご質問をいただきます。だから、そんなとき私は、
「私の銀行口座に毎月千円が振り込まれるだけです」と返します。
だって、それ以外なにもないもん。
世間ではノウハウが高い値段で売られていますが、 ノウハウって絶対に陳腐化するに決まっています。
しかし、腐らないと言うより腐りようがないものが、 自分の中にすでに持っているものなんです。だから、
自分が一生懸命に磨いて吐き出したものが最高です。 それを受け止めて評価してくれる人だけでOKです。
だから、私は賞味期限があるものなんて世には出しません。 今回の出版でも100年先でも読めるものしか書きません。
持っているのを磨けば、自分の存在は絶対に輝き続けます。
そんなことより私の美しいピアノの調べが見事に流れます。
では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━