砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

遠い下呂

「そこはかとなく」は「そこって博多区?」に力技で強引に押し切れば似ている。昨日の西の空は寂しがり屋さんの横顔のように曇っていた。そのとき僕は電車の中で自由という言葉をかみしめているはずだった。そう、昨日は青春18きっぷを利用できる最終日だ。「ゴメンね」。震えるような小さな声で西の寂しがり屋さんに別れを告げた僕は、きっと楽しいであろう東の世界へと足を向けた。人間も天候も湿っぽいのが嫌いな僕は「変な菌がうつるから近づくな!」と辺り構わずよく叫ぶ。生まれて半世紀、ずっとこんな奴ですこの私。きっと君たちは「なんであんな人と友達なの?」と愚かで間抜けな安い連中から言われていることだろう。そんなとき「そーいうことを聞くお前のほうが気持ち悪い」と罵ってやれ。ってことで、下呂温泉に行く予定が体調不良で不本意ながら一日中、仕事をしていた。そこで僕は誓った。もう青春18きっぷは買わない。もし買ったらこの僕を「負け犬」と笑うことのできる権利を君たちに与えよう。