「ねぇ、どうして鬼まんじゅうって言うの?」「うん、鬼の大好物だからだよ」。そんな建設的な会話を楽しんだことはどこのどいつにでもあるだろう。ところで気分転換を兼ねて【七軒町】を散策した昨日の僕は、その帰りに【金園町】の際に杉山家御用達の和菓子屋となった『餅文』に立ち寄った。ほら、ご覧。老舗感を微塵も感じさせない前衛的なデザインの店舗が印象的だね。
店舗に左足を踏み入れるや否や、奥の作業場からサッと大柄の店主が僕の目の前にやってきた。「あ、やっぱ鬼まんじゅうは売り切れですねぇ」「10時には売り切れました。鬼まんじゅうが欲しい方は・・・」。このように1つの問い掛けに対して最低でも5分間はマシンガントークが楽しめる。「老舗店のようですが大将は何代目ですか?」「餅文は戦前からで、私は四代目です。その製法も・・・」。そんなことより和菓子屋の店主を「大将」と呼んでもOKなのだろうか?
「あ、僕はおはぎが大好物なんですよ」「餅文を語るならおはぎ。おはぎが餅文の売りなんです。鬼まんじゅうが大好きなお客さんは鬼まんじゅうが店頭になかったら何も買わずに帰りますが、餅文はおはぎ、おはぎが売りなんです。餅文を語るならおはぎ。鬼まん・・・」。とにかく僕は、ノーマルバージョンの「おはぎ」ときな粉バージョンの「おはぎ」を4つずつ買って店を出た。
いい。鬼まんじゅうもいいがこれも実にいい。8つくらいなら熱いお茶のお供として一気呵成に胃の腑に収めることができる僕がいる。味はもとより白内障の目でも楽しみたいと思った僕は、それぞれを真ん中でパカッと割ると『マジンガーZ』のあしゅら男爵のように合体させて強引に頬張った。「1粒で2度おいしい」とはこのことだ。次回は芳醇な焼きだんごを試してみたい。
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