砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1684滴:炭酸のないファンタはない

ある小売業を営む社長と「仕事の効率化」について激論しました。

その社長は「社内の仕組みを最高に効率のいいものしたい。 また、お客様にも最高に効率のいいサービスを提供したい」と。

そんなこと絶対にあり得ませんわね。

お客さんから見て最高にいいサービスとは、 お店にとってこの上なく効率の悪い作業です。

ネットショップの店長が、注文をしてくれたお客に対して イチイチ返事を書くか?ってことです。

あれ、自動返信メールでしょ。お客さんにとって最高のサービスとは、 1対1で向き合ってくれることです。

それは、物理的に向き合うという意味じゃなく「気にかけてますよ~」と、 ちょっとした配慮をイヤミなく見せてあげることです。

それって会社(お店)からすれば腐るほど手間が掛かることですよね。

「仕事の効率化」と「お客様第一主義」とは反比例です。

「ファンタは飲むけど炭酸は飲まない」と言うのと同じようなものです。

そこそこの効率化でいい。お客さんにもそこそこ喜んでもらえればいい。

そうでなければ、

お客など後回しでいいから徹底的に業務の効率化を優先させる。または、 経費が掛かってもいいからお客様の笑顔を追い求める。のどっちかです。

社員がのんびりできる社風を作りたい。それでいて売上げを伸ばし続ける!

そんなこと絶対にあり得ませんわね。

小さな会社が売上げを伸ばし続けるためには、 軍隊形式しかあり得ません。

「売り切るまで帰ってくるな!」というマッチ売りの少女方式しか 小さな会社では成り立ちません。

そこには、3時のおやつを食べながら、 小指を立てて珈琲を飲んでいる幸せそうな社員など1人もいません。

「小学生じゃないんだから、絵の具で描いた夢や理想を追うんじゃない!」 と吐き捨てるように言ってやりました。

また1人、私の手帳から死んだところで涙も出ない男の名前が消えました。

まともな会社の考える効率は、そこそこが一番というレベルです。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

大体ね「お客様第一主義」と壁に貼ってある会社自体が胡散臭い。

そんなことこれっぽっちも思っていないくせに。 ちなみに、これっぽっちとは右の小指の爪の先1ミリぐらいです。

真剣にお客さんのことを思えば思うほど会社の効率は悪くなって、 確実に経費はかさむものです。

そんなことは、必死に探せば『魏志倭人伝』の中にも書いてあるはずです。

今までに「お客様第一主義」と壁に貼ってある会社を嫌ってほど見てきたが、 「社員第一主義」と書いた紙を壁に貼ってある会社を1社も見たことがない。

本末転倒、美辞麗句、挙句の果てには倒産か?と思うのは私だけでしょうか。

では、また明日、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━