砂漠に水

...Drop by drop shifts the desert to oasis.

第1896滴:陥りがちな効率化の罠

せっかく商売が軌道に乗ってきたところだったのに、血も涙もない 資本力だけを持った大手に大切なお客さんを持っていかれてしまった。

そんな経験はないでしょうか。

「そうそう、あるある!」とマウス片手に頷いている社長、

Let's ご愁傷様です。

ただ、大手に参入された時点でその商売の質はよかったという証拠です。 裏返せば、大手が見向きもしない商売など長くは続かないということです。

しかしながら、そのやり方がまずかったのは否めません。

他社がマネをしたくなるような部分があれば、第一段階はOKです。 マネすらしたくないと思われているようでは、お先は真っ暗闇です。

ただ、そのときに資本力を持った大手が簡単にマネができてしまう イージーな仕組みならば、Let's ご愁傷様路線に突入です。

例えば、ある商売をやっていくうちにバンバンに儲かり出したとします。

すると多くの社長は、もっともっと売上を伸ばそうと 朝から晩まで仕事の「効率化」ばかりを考え始めます。

要は、楽をして稼げる方法を模索するということです。

ってことは、それが確立された日には、そっくりそのまま 大手がマネできちゃう仕組みになっているということですよね。

なかなか首を縦に振らない大垣共立銀行の融資担当者から、 融資枠いっぱいの資金を借りて仕事の効率化を推進してきました。

そう、今ではベルトコンベアーのように仕事も作業も小川のように流れ、 お客さんからの受注管理、製造管理、発送管理、顧客管理が整いました。

すると「はい、ご苦労さんね」と大手がそっくりそのままマネをします。 その資本力と言えば、大垣共立銀行にお金を貸せるくらい持っています。

商品の開発からお客さんの受発注システムまですべて零細企業がやり、 大手はその将来性を見極め、儲かると思えば一晩にしてそれを構築します。

ここまで書いて何が言いたいのかと言えば、資本力を持つ大手から

「あぁ、あの商売は将来性があって面白そうだな」と軽く参入され、 「おいおい、こんな面倒臭いことチマチマとやってられるかよ!」と

捨て台詞を吐きながら撤退される商売が最高だということです。

事務の効率化だけならOKですが、度を越した作業の効率化、 営業の効率化を完璧に構築すると墓穴を掘ったと同じことです。

マネがしたくとも「そんなことやってられねぇ」と心から思われましょう。

┃一┃筆┃後┃記┃───────────────────

便利なツールができればできるほどライバルが増えますよね。

iPadだって今はアップルの独壇場ですが、 そのうち類似品が腐るほど出て来るでしょうし。

でも、他社から「マネをしたい!」と思われることは大正解で、 その方向性は大いにOKという証拠です。

ただ、だからといってそのままマネをされたら会社は潰れます。

相手は腐るほどお金を持ってるんだから。

脳ミソに汗を掻きながら仕事の効率化を構築するのもいいですが、 ある程度は額に汗する部分を残しておかないと悲惨な目に遭います。

資本力のある大手は、楽して儲けることしか考えません。 だったら、額に汗する部分で儲ける零細は生き残ります。

では、また次回、お会いできることを楽しみにしております。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━